【札幌記念】大人のカッチャン、異国経験でたくましく

[ 2018年8月16日 05:30 ]

函館競馬場のウッドコースで追い切るモズカッチャン
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 G1馬3頭が顔をそろえたサマー2000シリーズ第4戦「第54回札幌記念」の追い切りが15日、函館&札幌競馬場で行われた。函館では昨年のエリザベス女王杯馬のモズカッチャンが、パワーアップした姿を披露。3月のドバイ以来の実戦となるが、力を出せる仕上がりだ。

 異国の地を経験し、一段とたくましくなった姿で北の大地に降り立った。昨年のエリザベス女王杯覇者モズカッチャンは函館で調整。1週前の芝コース(5F61秒8〜1F12秒2)はマカヒキらと共に実戦さながらの稽古を消化。そのため当週は硬さを残さないよう、細心の注意を払っての最終追いとなった。助手を背にWコース単走で5F68秒8。直線はリズミカルな脚の運びでラスト1F13秒0。引き揚げてくる馬の歩様を確認した鮫島師が順調ぶりを伝える。

 「先週が多少オーバーワークになったからね。心配したけど、しっかりとケアすることができた。休ませてから体はパワーアップ。気合を表に出して走る牝馬だし、久々でも力は出せる仕上がりだね」

 今年は京都記念からの始動。凱旋門賞に挑む勝ち馬のクリンチャーを筆頭に、一線級で活躍する牡馬相手に4着。続くドバイシーマクラシック(6着)は世界の壁に阻まれたが、サトノクラウンに先着するなどG1馬のプライドは見せた。

 「以前は叩き良化型だったけど、今は馬自身が競馬のスイッチを入れている。顔つきなんかもキリッとして表情が変わってきた。大人になった感じだね」

 心身がかみ合わずデビューは遅い2歳の12月。3戦目で勝ち上がると、そこから3連勝でフローラSを制覇。勢いそのままにオークスでも2着と、一気にスターの階段を駆け上がった。一般的に牝馬は4歳秋を境に充実期を迎えるとされる。飛躍の秋に向け戦闘モードは整いつつある。

 「昨年の秋華賞(3着)はタフな戦いだったけど力は見せたからね。渋った馬場は問題ない。血統(父ハービンジャー)からも、洋芝は合いそうだしね」

 トレーナーは秘めたコース適性に言及し、巻き返しを誓う。夏の牝馬らしく、このレースもハープスター(14年1着)など若い牝馬の活躍が目立つ北の祭典。今年の台風の目になりそうだ。

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2018年8月16日のニュース