2歳もディープ産駒飛ぶ!!海外デビュー組が続々スタンバイ

[ 2018年7月31日 05:30 ]

英国競馬2000ギニーを制したサクソンウォリアー(手前)
Photo By ゲッティ=共同

 スタディオブマン、サクソンウォリアーの活躍で、さらに世界的名声を高めた種牡馬ディープインパクト。18年も海外でデビューするディープ産駒に熱視線が注がれる。スポニチ本紙にコラムを寄稿する血統評論家の藤井正弘氏は、欧州における配合的な自由度の高さも指摘。“ディープバブル”は、始まったばかりだ。

 今年、スタディオブマンが仏ダービーを制覇し、サクソンウォリアーは英2000ギニーを勝利。父は共に現役時代、“飛ぶ”ように走ると評された日本の英雄ディープインパクトだ。自身が唯一、挑戦した海外レース(06年凱旋門賞失格)は苦い思い出に終わったが、そのDNAは軽々と国境を飛び越えて活躍中だ。社台コーポレーションで海外関係を担当する細田直裕氏は「ディープインパクトは元々、英国の女王陛下の所有馬ハイクレアー(ディープの母の母の母)からの出ということで現役時から(海外から)注目されていました。陛下からは親書も頂いております」と話した。

 “ディープバブル”によって生まれた子供たちが世間を席巻するのは少し先の話だが、今年も16年に種付けされた産駒たちが海外でデビューする。フランスに出国したサファリクイーン(05年ホルヘデアトゥーチャ大賞、CEジュヴェナイルフィリーズ)、英国のアマーニ(07年セクウィニフィリーズ)などのG1馬を母に持つ子もスタンバイ。細田氏は「海外、特に欧州から注目されているのは、1600メートル以上の芝レースでの実績と、早い時期にビューティパーラー(ディープインパクト産駒の海外重賞初V)が12年の仏1000ギニーを勝って、仏オークスで2着に好走したからでしょう」と要因を分析していた。

 12年に6人だったセレクトセールでの外国人購買者は今年23人。オーストラリアの最強牝馬ウィンクスを手掛けるウォーラー師も視察に訪れ、ディープを筆頭とした日本馬への注目度の高さをうかがわせた。社台ファーム代表の吉田照哉氏は「日本の競馬に対して凄く熱を感じる。セリは高くていい馬を買えないということで、良質な繁殖牝馬を日本に持ってきて、ディープの子を付けたいという流れになっていくでしょう」。今後、サクソンウォリアーの母メイビーや、16年凱旋門賞を勝ったファウンドも交配を予定している。ディープの世界制覇の物語はまだ序章にすぎない。

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2018年7月31日のニュース