ジェニアルVに現地騎手も称賛「やっぱりユタカは天才だね」

[ 2018年7月27日 05:30 ]

仏G3メシドール賞を制したジェニアルをねぎらう(左2人目から)松永幹師、武豊、松島オーナー
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 【競馬人生劇場・平松さとし】先週の当コーナーで武豊騎手のフランス遠征について記した。結果はその後のスポニチ本紙でも報道された通り、見事にG3を優勝してみせた。

 レースが行われたのは現地22日の日曜日。パリ郊外にあるメゾンラフィット競馬場、直線芝1600メートルのメシドール賞(G3)で日本の第一人者はジェニアル(牡4=松永幹)の手綱を取った。4日前に行われた最終追い切りにも騎乗。「今までにないくらい左にモタれた」と眉間にしわを寄せつつも、「状態は良い」と感触を得ていた。

 当初、5頭立てで行われる予定(直前に1頭取り消して4頭立てになった)のこのレースで、発表されたジェニアルの枠順は1番。すると、ジョッキーは言った。「左に外ラチを見た状態で走れるから良さそうです」

 メゾンラフィット競馬場の直線競馬は外から若い枠順となる。そんな知識を有しているからサッと出た言葉。01、02年には現地で腰を据えて乗るなど、かの地での騎乗経験豊富な彼だからこそ出てきたひと言だと思えた。レースはスタートしてすぐにハナを奪うと、途中つかまったか?!と思われるシーンがありながらも、慌てず追いだすと再度後続を突き放した。「ラスト400メートルでは何とかなると思いました」という手応えで、最後は抑える余裕の勝利。わずか3頭の相手といえ、その中には重賞5勝馬や同3勝馬もいた。そんなメンバーを相手に日本では500万下条件でしかない馬が勝てたのは、やはり鞍上の経験と技術が大きくモノを言ったからだ。

 レース翌日のシャンティイのカフェで、私は偶然、同国を主戦場とするG・ブノワ騎手と会った。日本の競馬もよく知る彼はその席で言っていた。

 「あのクラスの馬を勝たせてしまうなんて、やっぱりユタカは天才だね」

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2018年7月27日のニュース