【仏メシドール賞】武豊ジェニアルV 史上初!500万条件馬が欧州重賞制覇

[ 2018年7月23日 05:30 ]

仏G3メシドール賞を制したジェニアルをねぎらう(左2人目から)松永幹師、武豊、松島オーナー
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 日本競馬の歴史に、また新たな1ページが刻まれた。仏G3メシドール賞(1着賞金約520万円)が22日(日本時間同日深夜)、パリ郊外のメゾンラフィット競馬場(芝1600メートル、4頭立て)で行われ、日本から武豊(49)騎乗で挑戦したジェニアル(牡4=松永幹)が快勝。国内では500万クラスに在籍する条件馬が、欧州重賞を制したのは史上初。日本競馬のレベルの高さを、世界に知らしめる快挙となった。

 1頭が出走を取り消し4頭立て。日本では経験のない少頭数となったが、ジェニアルと武豊は戸惑うことなくスタート。ハナを切り、レースの主導権を握った。中盤から各騎手のアクションが激しくなり、いったんは外からジミートゥータイムスが先頭へ。だが、ジェニアルも手応え十分。鞍上が冷静に対処し、内から鮮やかに差し返した。

 10年仏オークスなどG1・3勝を挙げたサラフィナを母に持つディープインパクト産駒。15年セレクトセール1歳セリで1億6000万円(税別)の高値を付けた。松島正昭オーナー(名義はキーファーズ)は落札時「武豊さんと凱旋門賞を勝つために買った」と夢を語っていた。大きな期待を背負ってデビューした超良血は2勝したものの、1000万下を勝ち上がれず、今夏500万下に降級。陣営は母譲りの適性を信じ、母が活躍したフランスへ渡った。「今までにない壮大な挑戦」(武豊)は、見事に実を結んだ。

 4頭立てとはいえ、重賞ウイナー2頭を破っての価値ある勝利。今後は血統表に重賞勝ち馬として“ブラックタイプ”(太いゴシック体)で記載される。サクソンウォリアーが英2000ギニー、スタディオブマンが仏ダービーを制し、欧州での種牡馬ディープインパクトの評価は急上昇中。その血を引くジェニアルも将来、種牡馬としての道が開ける可能性がある。

 今後は仏G1に挑戦するプランもあり、現地でさらなる夢を追う。条件馬が仏重賞を勝つという“フレンチドリーム”を実現したジェニアル。イタリア語で「天才的」と名付けられた良血が、日本競馬の新たなステージを開拓した。

 ▼武豊 凄く折り合いがついて、いいレースができた。母が活躍し、ディープインパクトも走ったフランスのレースを勝てたのはうれしい。

 ▼松永幹師 序盤をリラックスして走ってくれたし、ジョッキーもうまく乗ってくれた。今後はオーナーと相談だがモーリスドゲスト賞(8月5日、ドーヴィル芝1300メートル)かジャックルマロワ賞(8月12日、同1600メートル)のどちらかを目指したい。

 ◆ジェニアル 父ディープインパクト 母サラフィナ(母の父リフューズトゥベンド)牡4歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・キーファーズ 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績8戦3勝 総獲得賞金約2080万円。

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