菜七子、2週連続V マジックとのコンビで4月に続きまた勝利

[ 2018年7月15日 05:30 ]

サウンドマジックで福島8Rを制して笑顔の藤田(左から2人目)
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 菜七子の7月だ。藤田菜七子(20)が14日、福島8R(3歳上500万下牝馬限定戦、ダート1700メートル)を2番人気のサウンドマジック(牝4、和田正)で鮮やかに逃げ切った。7日(福島2R=コパノステラート)に続く、2週連続V。今年11勝目でJRA通算31勝とし、増沢(旧姓・牧原)由貴子が持つ女性騎手JRA最多勝利更新まであと4勝に迫った。

 8R発走直前の午後2時。気温35・6度を計測した福島競馬場で、菜七子が魅せた。7枠12番から好スタートを決めてハナを奪うと、約1馬身のリードを保ちながら先導。直線に入ると、計6回の左ムチで気合を注入されたサウンドマジックが再加速。影をも踏ませない逃亡劇だった。

 「1回勝っているクラス(現級)で力が上でしたから。すんなり逃げることができて、馬のリズムを崩すことなく走らせることができた。最後もセーフティーリードがありました」

 しゃく熱の太陽が照りつける中、2Rからの7連続騎乗となった8Rで快勝。滴る汗を拭いながら、白い歯をのぞかせた。

 相棒とは今回と全く同舞台の4月14日に初コンビを組んで、鼻差での逃げ切り勝利。今回は減量恩恵が▲3キロ減→△2キロ減になった中で、2着のビジョッテに1馬身3/4差。同一馬で初騎乗から連続Vは自身初、そして着差こそが成長の証だった。

 会心の騎乗だった。昨年末の東京大賞典。田辺騎乗のコパノリッキーが逃げ切り、引退レースを飾った。そのレースを観戦した菜七子は「私だったら“逃げるなら少しでもペースを落として楽をしたい”と思って、ガッツリ抑えてしまうところを、そのままペースを緩めることなく強い競馬で逃げ切ってしまった。あのレースを見て、馬のリズムで走らせてあげることで、馬も最後まで頑張れるというのを実感しました」と感嘆。それから半年余り…。自ら理想の騎乗を体現したのだった。

 騎乗依頼したのは7日にオジュウチョウサンで歴史的平地Vを飾った和田正師。「ペース次第では逃げにこだわらなくていいと事前に話したが、外枠でもジョッキーがうまくゲートを出してくれた。スピードの違いで押し切れたし、しまいもしっかりしていた」と最大級の賛辞を贈った。

 3Rでは10番人気のソンタクを2着に押し上げ、3連単26万3120円の波乱を演出した菜七子。夏競馬期間は午前3時起床が日課だが、「1分でも多く寝ていたいので、ギリギリまで寝てます」。やはり、“寝る子は育つ”か。

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2018年7月15日のニュース