鈴木誠が引退会見 悔いなしスマイル「素晴らしき競輪人生」

[ 2018年7月14日 05:30 ]

師匠の吉井秀仁氏(右)から花束を受け取る鈴木誠(撮影・郡司 修)
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 G1・3勝、GP1勝の鈴木誠(53=千葉・55期)が13日、松戸競輪場内で引退会見を行った。

 「70歳まで現役で走る」。来年5月の地元松戸ダービー出場を目指していた鈴木は昨年11月に右股関節の変形性関節症と診断を受けた。「3月頃から(股関節の)痛みで練習ができない。このままではファンに迷惑が…」。14年には左手首の複雑骨折で7カ月欠場、昨年5月には鎖骨骨折。何度も復活劇を演じてきた鈴木だが強いプロ意識が引退へと傾いていった。

 「痛み止めを飲みながら走った」6月頃には引退を決意。家族に話すと「(妻は)脚が痛い状況を知っていたので不安に思っていた。ホッとした様子でした」。ラストランは7月6〜8日の京王閣F1(2)(8)(8)。「一緒に走る選手に迷惑が掛からないよう」引退は周囲に知らせずに臨んだ。

 33年3カ月の選手生活。デビュー後は「吉井(秀仁)さんと滝澤(正光)さんを目標に」頑張った。全盛時は「強い吉岡(稔真)君と神山(雄一郎)君に負けないように」猛練習を重ねた。この数年は「武田(豊樹)君と平原(康多)に憧れて」ペダルを踏み続けた。

 思い出のレースは「初タイトルの高松宮杯、久留米全日本といくつもあるが、やはり地元松戸で優勝したダービー(05年3月)」。85年5月にデビューし「ダービーを勝つために選手になった」という夢がかなった優勝劇だった。

 「自転車人生に悔いはありません。素晴らしき競輪人生でした」と最後は“誠スマイル”。今後については未定も「競輪界に恩返しをしていきたい」意向だ。

 ◆鈴木 誠(すずき・まこと)1965年(昭40)4月3日生まれ、千葉県市原市出身の53歳。千葉経済高卒。通算成績は3058戦665勝。通算取得賞金は17億853万円。主な優勝はG1高松宮記念杯(90年)、G1全日本選抜(91年)、グランプリ91、G1日本選手権(05年)師匠は吉井秀仁(引退)。1メートル77、85キロ。血液型A。

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