【開成山特別】平地初勝利のオジュウ 有馬出走へ道開ける、武豊「もっと走りそう」

[ 2018年7月7日 16:02 ]

<福島9R・開成山特別>オジュウチョウサンの快勝に長山オーナー(左)と武豊は笑顔で握手(撮影・村上 大輔)
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 土曜福島9Rの開成山特別(芝2600メートル、3歳以上500万)は、J・G1・5勝を誇る“最強の平地未勝利馬”オジュウチョウサン(牡7=和田正)が2着ドリームスピリットに3馬身差をつけて圧勝した。勝ち時計は2分42秒3(稍重)。

 4年8カ月ぶりの挑戦で平地初勝利。この勝利で平地重賞登録の資格(平地重賞の出走条件として古馬重賞は平地収得賞金0円の未出走及び未勝利馬は出走できないと規定されている)を獲得。第1回特別登録をした馬のうち、ファン投票上位10頭に優先出走権が与えられる有馬記念出走への道が開けた。

 平地は2歳時の2戦のみ。出走メンバー中、断トツでキャリア最少のオジュウチョウサンが抜群のスタートを決めるとスタンドの観客がどよめいた。「日本一のジョッキーだから」と、長山尚義オーナーにこの勝利のために指名された武豊は冷静に先手を主張する馬を見ながら4番手を確保。前半1000メートルが1分1秒9。緩いペースを見越して2周目の3コーナー過ぎでいち早く仕掛けた。そのまま先頭に立つと鞍上は後ろを確かめ、スタンドから大きな拍手が送られる中を最後は流してゴールした。

 「またがった感触でいい馬だなと思った。スタミナがあるが、道悪は決して得意ではない。もっと走りそう」と手応えは十分の鞍上。レースを見守った長山氏も「いやあ強いね」と満面の笑み。長山氏はこの日、特別に設けられた同馬グッズのワゴン販売コーナーで販売されたマフラータオルの中に、自ら作成したオジュウチョウサンカードを忍ばせていた。障害を飛ぶオジュウの写真の裏側には「有馬記念へ」の文字をプリント。「今後の予定は武さんに聞いて決めるけど、今は頭の中に障害という選択肢はない。本当に有馬記念を狙うよ。スターが不在の今、競馬を盛り上げるためにもスターを作らないと。夢とロマンを。出走の権利は得たので、あとはファンの皆さんに投票して頂けたら」と、改めて暮れの大一番へ思いをはせた。

 障害界の絶対王者が見せた平地での大きな可能性。史上初となるJ・G1馬による平地G1制覇なるか。空前の“オジュウフィーバー”が平成最後の年を大いに盛り上げる。

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