角居師、酒気帯び運転で逮捕 処分確定まで調教停止

[ 2018年7月7日 05:30 ]

角居勝彦容疑者
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 競馬界に衝撃が走った。滋賀県警草津署は6日、酒気帯び運転(道路交通法違反)の疑いで、2007年に牝馬のウオッカで第74回日本ダービーを制した日本中央競馬会(JRA)所属の調教師、角居勝彦容疑者(54、同県栗東市小野在住)を現行犯逮捕した。容疑を認めており、本格的な取り調べに入る。

 逮捕容疑は6日午前0時5分頃、同県草津市西渋川1丁目の市道で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑い。活発な梅雨前線の影響で、同市では5日には大雨、洪水警報が発表されていた。

 草津署によると、交差点で角居容疑者の車と50代男性のワンボックスカーが出合い頭に衝突。この物損事故によるケガ人はいなかったが、110番通報を受けて駆け付けた署員が、角居容疑者の息が酒臭いことに気付き検査。基準値を超える呼気1リットルあたり0・18ミリグラムのアルコール分が検出された。一般的に0・16〜0・30ミリグラムは「酩酊(めいてい)極期」といわれ、酒量としては日本酒なら4〜5合、ビールなら大瓶5〜7本に相当。千鳥足となるなど運動障害が生じるといわれる。

 角居容疑者はJRA重賞74勝。11年にはドバイワールドCをヴィクトワールピサで勝利するなど、世界各国のG1も制覇している。11年から3年連続でJRA最多勝利調教師、最多賞金獲得調教師賞にも5度輝いている名伯楽。通算4922戦693勝、今年もここまで33勝で全国リーディング2位(全て6日現在)につけている。

 故郷の石川県で祖母の代から始まった天理教の教会を継ぐことを理由に、今年に入って、21年2月限りで調教師を引退する意向を表明していた。今月2日には都内でトークライブを行い、「世界に通用する人馬をつくりたいという思いで、最後までやっていく。凱旋門賞だって目指したい」と話したばかりだった。

 現役トップトレーナーの現行犯逮捕を受け、角居厩舎のスタッフは「正直、びっくりしています。僕らも動揺している」と話し、JRA報道室では「皆さまにおわび申し上げます。本会といたしましては、今回の事案について厳正な処分を行うとともに、同様の事案の再発防止に努めていく所存であります」とコメント。日本中央競馬会競馬施行規程第148条にのっとり、角居師による馬の調教を6日付から裁定委員会の議定(処分確定)があるまで停止することを決定した。角居厩舎の馬はきょう7日に出走予定の福島11Rタニノアーバンシーなど4頭(福島1頭、中京3頭)を含めた全78頭(30馬房)が栗東の中竹和也厩舎に転厩。今後は中竹師の管理馬として出走する。

 【日本中央競馬会競馬施行規程第148条】(抜粋)

 第2項 裁決委員は、競馬開催期間内において発生した事由に関し競馬関与の禁止もしくは停止または30日を超える調教、騎乗もしくは馬の出走の停止の処分を行う必要があると認めた事項その他特に必要と認めた事項については、取り調べ書類に意見を付して裁定委員会に送付しなければならない。

 第4項 裁決委員は、必要があると認めるときは、裁定委員会の議定すべき事項の関係者に対し、その議定のあるまで、馬の調教、騎乗もしくは馬の出走を停止し、またはその議定のあるまで、その者に係る賞状、賞品もしくは賞金の授与もしくは支払いを停止することができる。

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