【開成山特別】オジュウ称賛!貫禄併せ馬、平地1勝へ障害なし

[ 2018年7月5日 05:30 ]

<開成山特別・追い切り>併せで追い切るオジュウチョウサン(撮影・村上 大輔)
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 いざ七夕決戦。最強の未勝利馬に変身した障害G1・5勝のオジュウチョウサン(牡7=和田正)が4日、美浦トレセンで「開成山特別」(7日、福島9R500万下、芝2600メートル)に向けた最終追い切りで貫禄の走りを披露。重賞登録の資格を得る平地1勝が至上命令。平地、障害両G1制覇への第一歩に注目だ。

 泰然自若。障害G1・5勝を誇る絶対王者は舞台が変われど動じない。

 オジュウチョウサンがWコースに入ると、周囲の空気がピリッと引き締まった。4馬身前を行くブルーオーキッド(3歳未勝利)を追い掛け徐々に加速。直線内から並ぶと、強めに追われる相手をジロリと横からにらみつけるように併入。馬なりとはいえ、闘争心を体の内から発するような貫禄の走りで6F69秒3〜1F12秒9を計時した。

 追い切り後恒例の森林馬道でのクールダウンには、落馬による負傷のため6月15日以来、オジュウに騎乗していなかった主戦・石神が志願騎乗。最終確認を行い「いつものピリピリした感じが出てきた。下で見ていた追い切りの動きも良く、いい状態で臨めそう」と好感触を口にした。

 4年8カ月ぶりの平地出走へ向け1カ月前に帰厩して以降、中間は一度も障害を跳ばしていない。障害出走時に必ず行う前日のスクーリングも今回はなし。普通の馬ならば、長年染み込んだルーティンとの違いに戸惑わないかという懸念が出るが、そこは頂点を極めたオジュウ。いつもと変わることなく心身を高める。「やるべきことを分かっている馬。追い切りで気も入っていたし、当日に装鞍所からパドックに向かえば競馬と思ってくれる」と和田正師が穏やかながら、きっぱりとした口調で懸念を払しょくすれば、長沼厩務員も「1カ月前とは目つきが全然違う。いつもの怖いくらいの感じ。あとは自分はオジュウの邪魔をしないだけ」と悠然と構えている。

 異例の参戦に高まる注目とは対照的に、淡々と調整を続ける絶対王者。フルゲート割れで予定通りに出走できることに加え、週末は雨予報でスタミナ自慢のオジュウにはうってつけの舞台になりそう。強運も王者の資質と言わんばかりだ。七夕にファンの願いをかなえるべく、希代の名ジャンパーが平地G1への道を隔てる川を勝利で跳び越える。

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