【愛ダービー】サクソン3着、ディープ産駒日仏愛Vの偉業逃す

[ 2018年7月1日 01:52 ]

 愛ダービーが6月30日(日本時間7月1日未明)にカラ競馬場で行われ、R・ムーアが騎乗した日本生まれのディープインパクト産駒サクソンウォリアー(牡、愛=A・オブライエン厩舎)は3着。G1・3勝目を挙げることはできなかった。同産駒は今年、日本ダービーをワグネリアン、仏ダービーをスタディオブマンが制したが、同一年3カ国ダービー制覇はならなかった。勝ったのはラトローブだった。

 英ダービー4着からの雪辱Vを狙ったサクソンウォリアーは3着惜敗に終わった。道中は好位をキープ。ゴール前は3頭追い比べの外からラトローブとロストロポーヴィチを捉えにいったが、最後は脚色が一緒になった。父ディープインパクト譲りの末脚全開とはいかず、ワグネリアン、スタディオブマンに続く「ダービー馬」の称号を手に入れることはできなかった。

 サクソンウォリアーはデビュー4連勝で臨んだ6月2日の英ダービー(エプソム)は4着。伸び切れずに初黒星を喫した。A・オブライエン師は「エプソムでは若さを見せて力を出し切れなかった」と回顧。地元紙も「初めてハイヒールを履いた10代の少女のようだった」と表現した。デビューからの4連勝は全て1600メートル。馬場や最内枠などに加え、2410メートルに延びた距離を敗因に挙げる声もあったが、師は2400メートルの愛ダービー参戦を決めた。

 名将にとって愛ダービーは06年から12年までの7連覇を含む12勝を挙げている得意レース。「英ダービーの後は全てが順調だ」と手応え十分に臨んだ。英ダービー馬マサーが出走してこなかったこともあり、ブックメーカーの単勝オッズは英ダービー2着のディーエックスビーなどを抑えて今度も断然の1番人気。僚馬3頭も投入して4頭出しと万全の態勢を整えたが、英ダービーの雪辱は果たせなかった。

 15年1月にノーザンファーム(北海道安平町)で生まれ、同年秋にアイルランドへ渡ったサクソンウォリアー。母メイビーは11年欧州最優秀2歳牝馬(カルティエ賞)に選ばれた名牝だ。英愛のダービー制覇はならなかったが、日本の皐月賞に相当する英2000ギニーを勝ち、日本産馬として初めて競馬の母国のクラシック制覇を果たした“功績”は大きい。公表されている種付け料では世界一4000万円のディープと欧州一流牝馬の配合が今後も実現する可能性は大。今年は敗れた英愛ダービー、さらには凱旋門賞制覇の期待も膨らんでいく。

続きを表示

2018年7月1日のニュース