【ラジオNIKKEI賞】フィエール 無傷初重賞へ極上の切れ

[ 2018年6月28日 05:30 ]

ラジオNIKKEI賞追い切り 石橋を背に単走で追い切るフィエールマン(撮影・近藤 大暉)
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 福島競馬開設100周年のメモリアルイヤー開幕を飾る名物3歳重賞「第67回ラジオN1KKE1賞」(7月1日)の追い切りが27日、美浦、栗東トレセンで行われた。2年連続Vを狙う手塚厩舎が送り込むフィエールマンは単走で軽めの仕上げ。ディープインパクト産駒の切れ味を武器に無傷3連勝で重賞初Vを狙う。

 遅れてきた大器が福島の地で連勝街道を突き進む。2戦2勝のディープインパクト産駒フィエールマンの最終追い切りは単走。雄大なフットワークでWコースを駆け抜ける。デビューからタッグを組む石橋を背にした鹿毛の馬体は、リズミカルなステップ。トレセンに吹き荒れる風速4〜5メートルの強風を切り裂いた。馬なりのまま5F68秒3〜1F12秒3にまとめ最終リハを完了。「先週やっているし長距離輸送も初めてなので。これで十分です」と手塚師は満足そうに振り返った。

 今年1月デビューで2連勝。「能力が相当高い」と師が期待を寄せる3歳世代最後の大物は、初陣が遅くクラシック路線を歩まなかった。「少し女の子っぽくて凄く繊細。調教やレースでストレスを感じちゃうんだ。だからメンタル面をケアしなきゃいけない。強ければ強いほど紙一重だよ」。指揮官はデリケートな体質と性格を考慮して一級品の切れ味を時間をかけて研ぎ澄ませた。そのベールを脱いだのが前走の山藤賞。出遅れて後方2番手になったが、直線を向くと余力を残して突き抜ける圧巻のパフォーマンス。中間は弱点に挙げられるゲート克服に努め「だいぶ、おとなしくなった。前走より遅れることはないと思うよ」とトレーナーは自信を見せた。

 昨年のこのレースを2番人気で制したセダブリランテス(牡4)も手塚師が管理。2頭を比較すると「レース前の安心感はセダの方があった」と言いながら「タイプは違うけど力はフィエールマンも同じくらいある。大きいレースを勝つ馬と比較している」とG1級の潜在能力を秘める愛馬への思いを語った。デビュー3連勝で重賞制覇した先輩に追いつくことが今夏の第一目標。飛躍の秋を目指したステップを駆け上がる。

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