矢野貴之 おごり全くなし、「感謝の心」忘れず全力で

[ 2018年6月22日 05:30 ]

東京ダービーを制しガッツポーズを見せるハセノパイロ鞍上の矢野貴之ジョッキー(撮影・会津 智海)
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 【地方からの風】ダービージョッキーの称号を手に入れた矢野貴之(33=大井)だが、おごりはこれっぽっちもない。「ダービーを勝ったことで、これからどんなレースでもプレッシャーがかかってくる。それだけにいい馬に乗せてもらうために一頭一頭全力で乗りたい」と気持ちを引き締める。

 高崎競馬の廃止とともに05年、大井に移籍。人見知りとあって、当時はなかなかなじめなかった。「5、6年は乗り馬も集まらないし気持ちも腐った。若かったんですね」と振り返る。また「(大井競馬以外の)左回りも乗ったことがなかった。最初は本当に下手くそだった。それが、ちょっとずつうまくなっていって…」。着実に階段を上っていき、苦労人は開花した。

 騎手としての自信がやっと芽生えてきたのはここ3、4年のこと。騎乗依頼を受けて、しっかり結果を出す。そうすれば自然と騎乗馬が集まってくる。好循環を呼ぶことが重要と分かっているだけに「関係者への感謝は決して忘れない」と矢野は言う。どこまでも謙虚な姿勢を矢野は貫き通していくだろう。そうすれば「何度でも味わいたい」と語るダービー制覇の感激を、またすぐに味わうことができるはずだ。(矢内 浩美)

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2018年6月22日のニュース