【東京ジャンプS】名手・林ラストランへ「結果残せたら最高」

[ 2018年6月22日 05:30 ]

残すところあと1鞍。障害2000回騎乗で引退を表明している林満明騎手
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 障害の名手が今週末でターフを去る。前人未到のJRA障害レース騎乗「2000回目」となる23日の東京ジャンプSが、林満明(51、栗東・フリー)のラストランとなる。アスターサムソンが障害に転向した5走前から手綱を取り、前走京都HJで重賞初制覇へ導いた。

 「跳びが奇麗な馬。どんな競馬もできるし、安定感がある」とアスターについて言及した後、自身の軌跡を振り返りつつ「これだけ乗ることができたのは、周囲の支えがあったからこそ。まずは無事に。それで結果を残せたら最高だね」と語って目を細めた。

 アスターを管理する元騎手の中竹師は、以前に所属していた吉田三郎厩舎時代の兄弟子。その縁もあり師は障害の主戦に据えてきた。中竹師は「あいつだと安心して見ていられる。普段はフニャフニャしているけど、凄く意志の強い人間。若い頃から先輩に叱られても、レースで競りかけていたからね。最後も決めてくれるでしょう」と頼もしい弟弟子に全権委任した。

 ファンの間で“伝説”となった昨年の中山大障害。コンビを組んだアップトゥデイトで果敢にハナを奪い、宿敵オジュウチョウサンと壮絶な叩き合い。結果は2着だが「勝つにはあの競馬しかなかった。あれで負けたら悔いはないよ。2頭で障害レースを盛り上げられて良かった」と林。今年の暮れも闘志あふれる騎乗が見たい、と思うファンは多いが、林はこう言う。

 「(ラストランは)自分で決めたことだから。最後まで一生懸命頑張るよ」

 騎乗スタイルも引き際も“頑固一徹”。最後まで自分らしく…だ。

 ◆林 満明(はやし・みつあき)1966年(昭41)10月31日生まれ、北海道出身の51歳。栗東・吉田三郎厩舎から86年3月にデビュー。JRA通算3609戦277勝。うち障害はJRA歴代1位となる1999回騎乗して197勝を挙げる。アップトゥデイト(15年の中山大障害、中山グランドジャンプ)のG1・2勝を含む障害重賞15勝(21日現在)。1メートル55、53キロ。血液型O。趣味は家庭菜園。

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