菜七子エージェント 中村氏が語る魅力「大舞台を経験することでまた成長できる」

[ 2018年6月18日 05:30 ]

藤田菜七子ら騎手のエージェントを務める中村剛士氏(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 菜七子の活躍を陰で支えているのがエージェント(騎乗依頼仲介者)の中村剛士氏(41)だ。内田博幸(47)、戸崎圭太(37)、ライアン・ムーア(34)といった超一流を担当する騎手出身の敏腕に、菜七子の長所や課題、今後の可能性を聞いた。

 ――昨秋から菜七子を担当している。

 「競馬を一緒に盛り上げていきたいというのが大きな理由。担当する前からスタートがうまいなと思っていたし、その長所をさらに伸ばしていきたい」

 ――厳しくアドバイスすることもあるか。

 「関係者への連絡など礼儀に関しては徹底している。1頭に乗れることの大切さはしっかり感じてほしい。内田さん、戸崎とまた世代が違うし、教育指導の本を読んだりして僕も勉強している。内田さんには結構厳しいことを言うけど、菜七子は褒めることの方が多いかな」

 ――騎乗面では。

 「今は基礎づくりの段階で、まずは下半身強化。モタれる馬を修正しなければいけない場面とか、まだ馬に負けていることも多い。木馬でも乗馬クラブでも時間があれば馬に乗るようにと話している」

 ――菜七子はどんな性格。

 「素直で、負けず嫌い。アドバイスをきちんと聞くし、自分から“気になることがあったら言ってください”と言ってくる」

 ――今後の可能性は。

 「当たりが柔らかくて、他の騎手で伸びない馬でも菜七子が乗ると伸びることがある。独特の柔らかさがある。まだ周囲に気を使って乗っているところはあるけど良くはなってきているし、メンタル面もまだ伸びると思う」

 ――菜七子のエージェントとしての夢は。

 「菜七子が勝つと多くのファンが喜んでくれるのがうれしい。自分も馬が好きでこの仕事をやっているので、競馬の盛り上がりに少しでも携われることにやりがいを感じる」

 ――いよいよG1騎乗が可能になった。

 「条件をクリアしたといってもG1に乗るのは簡単じゃない。菜七子と共にG1を盛り上げたいと思ってくれる方がいれば一緒に頑張りたい。大舞台を経験することでまた成長できると思うし、今秋中にはG1デビューをと思っている」

 ◆中村 剛士(なかむら・たかし)1976年(昭51)10月20日生まれ、愛知県刈谷市出身の41歳。騎手として笠松、金沢で騎乗。ケガで引退後は大井で調馬師に転向。内田博幸と知り合いエージェントとして中央移籍にも尽力した。趣味は絵を描くこと。

続きを表示

2018年6月18日のニュース