【ユニコーンS】女性初快挙へ菜七子、ベンハーで重賞初Vだ 

[ 2018年6月15日 05:30 ]

藤田菜七子(右)は騎乗予定のミックベンハー(左)とともに引き揚げる(撮影・近藤大暉)
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 藤田菜七子(20)が、自身7回目の重賞騎乗だ。日曜メインの「第23回ユニコーンS」(17日、東京)で500万V直後のミックベンハーと初コンビ。中央27勝中20勝をダートで挙げる菜七子に、史上初となるJRA女性騎手による重賞Vの期待が懸かる。また、同騎手はG1騎乗が可能となる31勝(地方交流競走含む)まで残り2勝。土日東京の計11鞍からも目が離せない。

 午後3時すぎの美浦トレセン投票所前。心配そうにパソコン画面をのぞく菜七子に笑顔が咲いた。「通りました、うれしいです!」。ユニコーンSで初コンビを組むミックベンハーが17分の11の抽選を突破。幸運も味方に、自身7回目のJRA重賞騎乗が実現した。

 欽ちゃんことタレントの萩本欽一が所有するジョブックコメンに騎乗した1月フェアリーS(9着)以来となる重賞参戦。同期5人の中では3番目(1位木幡巧22戦、2位荻野極19戦)に多い7回目の騎乗に「もうそんなに乗せていただいているんでしたっけ。たくさんチャンスを頂いています」と感謝の言葉を口にした。

 ダート重賞はこれが初めてだが、菜七子はJRAの全27勝中20勝をダート戦で挙げている。5、6月だけで盛岡、大井、川崎にも遠征し、ダートレースの経験は豊富だ。本人も「東京ダートのマイル戦は未勝利でもたくさん乗せていただいている舞台。イメージは大丈夫だと思います」と小さな自信ものぞかせている。

 5月19日の新潟最終週キクノフェリックス以来、勝利からは遠ざかっているが、流れは決して悪くない。最後のV以降、前述の地方11戦で2着が2回、3着は2回。重馬場開催だった12日の川崎では、顔中に泥を浴びながら3着に好走し、レース後は「このままじゃ帰れないです」と明るい表情も見せた。「重賞だからと意識しないようにしているんですけど、実際は少し緊張してしまうかもしれない。精いっぱい、頑張りたい」と菜七子。JRA所属の女性騎手が重賞を勝てば史上初の快挙。地方の砂でつくったリズムを生かしたいところだ。(高木 翔平)

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