【マーメイドS】アンドリエッテ 粘って初重賞、牧田師弔いV

[ 2018年6月11日 05:30 ]

<阪神11R・マーメイドS>国分恭を背に内から華麗に抜け出して勝ったアンドリエッテ=左(撮影・平嶋 理子)
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 阪神メイン「第23回マーメイドS」は10番人気アンドリエッテが28戦目で待望の重賞初V。ディープ産駒の遅咲き6歳牝馬がついに花開いた。

 師匠への思いが愛馬アンドリエッテに乗り移ったのか。「最後は声が出ました。外を回したら間に合わないし、イチかバチか内へ。作戦通り。もっと早く重賞を勝たせてやりたかったけど…。ようやくタイトルをつかめてよかったです」。かつて中村好夫厩舎の所属騎手だった牧田師にとって亡き師匠にささげる勝利でもあった。中村好夫氏が5日、老衰のため死去。「後押ししてくれたのかも」としみじみ言葉を続けた。

 徹底的にインにこだわった。2枠3番からゲートを出たアンドリエッテは道中、内ラチ沿いを回ってロスのないコース取り。中団で脚をため、絶好の手応えで直線へ。ラスト300メートルで待望のVロードが開けた。前のトーセンビクトリーとミリッサの間、その1頭分のスペースへ迷わず飛び込んだ。ハンデ51キロを味方に末脚全開。メンバー最速の上がり3F34秒4を刻み、外から迫るワンブレスアウェイを首差振り切って重賞初制覇。テン乗り国分恭が牧田師の願いをかなえた。「テイエムオーロラ(10年府中牝馬S)以来の重賞勝ちでフワフワした気持ち。まだ実感が湧きません。内枠を頂いたので内にこだわった。一瞬の脚が凄く速かったです。こういうチャンスを頂き、結果も残せて自信になるし、これからもっと頑張ります」

 次走は未定ながら今年6歳で来春、繁殖入りの予定。牝馬重賞戦線に現れた遅咲きのヒロインは残り数戦を目いっぱい駆け抜ける。

 ◆アンドリエッテ 父ディープインパクト 母アナバシュドチャーム(母の父シルヴァーデピュティ)牝6歳 栗東・牧田厩舎所属 馬主・永田和彦氏 生産者・北海道日高町森永牧場 戦績28戦4勝 総獲得賞金1億4315万4000円。

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2018年6月11日のニュース