【安田記念】ブラックムーン、波乱ムードで光る経験値

[ 2018年5月30日 05:30 ]

坂路で調教するブラックムーン
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 5週連続で行われる春の東京G1もいよいよクライマックス。最後を飾る「第68回安田記念」は、例年なら最強マイラーが集う舞台だが、今年は出走18頭中、同レースに出走経験のある馬が2頭(リアルスティール=16年11着、レッドファルクス=17年3着)という異例の顔触れ。波乱ムードが漂う。過去の傾向から穴馬をあぶり出す「激走馬 ロックオン」は、上位人気確実な4歳勢に死角ありと判断。浮かび上がったベテラン馬とは?

 情勢 今年の安田記念の主役は4歳勢。昨年のダービー2着馬で、マイル初挑戦のスワーヴリチャードを筆頭に、昨年の皐月賞2着ペルシアンナイト、サングレーザー、リスグラシュー、アエロリットなどが上位人気を占めそう。昨年のこのレースに出走していたのがレッドファルクスのみという、かなりフレッシュな顔触れとなった。

 回顧 似た状況だったのが10年。主役不在で単勝4倍の1番人気に押し出されたのが、前年のダービー2着馬リーチザクラウン。前年の皐月賞2着トライアンフマーチが2番人気、前々年の皐月賞馬キャプテントゥーレが3番人気で続いた。上位人気3頭はいずれも安田記念初出走だった。混戦を制したのは8番人気の6歳馬ショウワモダン。条件戦とオープン特別で勝ち負けを繰り返しながら6歳を迎え、2走前のダービー卿CTでようやく重賞初V。注目馬の陰で、ひっそりと蓄えていた実力を発揮してのG1初制覇だった。

 注目 今年の出走馬では6歳ブラックムーンに注目したい。下級条件から徐々にステップを踏み、6歳初戦だった今年のスポニチ賞京都金杯で待望の重賞初V。ショウワモダンと似た軌跡で、春の大舞台へと駒を進めてきた。昨秋のマイルCSではブービー17番人気の低評価ながら、メンバー中最速の上がり3F33秒8をマークして0秒3差6着と健闘。先着5頭のうち3頭の負担重量が1〜3キロ軽かったことを考えれば、G1でも好勝負になる下地は十分にある。

 経験 過去10年の安田記念で4歳馬の優勝は08年ウオッカと15年モーリスだけ。一方で10年リーチザクラウン、11年アパパネ、12年サダムパテックが人気を背負って馬群に沈んだ。若さと勢いに勝る半面、キャリア不足を露呈する危険性も。今年もオッズが割れそう。ベテラン馬の経験値に懸けてみるのも悪くない。

 ◆10年VTR 良馬場発表。大外枠のエーシンフォワードが1000メートル通過56秒3のハイペースで逃げた。中団に構えた8番人気ショウワモダンは、残り2Fから内ラチ沿いを伸びてきたスマイルジャックをゴール手前で一気に差してV。勝ち時計1分31秒7は当時のレースレコード。直線外を伸びたスーパーホーネットが2着。単勝4倍の1番人気に支持されたリーチザクラウンは好位で控えたが伸びず14着。

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2018年5月30日のニュース