【日本ダービー】好調2頭出しも力みのない国枝師

[ 2018年5月24日 05:30 ]

2頭出しの国枝厩舎同士で併せて追い切るコズミックフォース(左)とオウケンムーン(撮影・村上大輔)
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 【G1ドキュメント・美浦=23日】水曜朝、どこを歩いても祝福の言葉を掛けられていたのが国枝師。衝撃の強さで牝馬2冠を達成したアーモンドアイの話を振られると「よく頑張ってくれたよな。俺もこの先もう少し楽しめそうだ」と表情が緩む。高木はオークス前にも思ったが、今年で63歳の指揮官には全く力みがない。「2頭出すから勝つ確率は2倍。9分の1か?」。そう笑うダービーもあくまで自然体で臨むつもりだ。

 オウケンムーンとコズミックフォース。同厩舎の精鋭牡馬2頭は、そろってWコースに登場した。追い切りはムーンが先行し、3馬身ほど後ろにコズミック。両馬共にリズム良く道中をクリアすると、直線はコズミックが内へ。2頭の差は徐々に詰まり、最後は仲良く併入した。手応えではムーンが見劣ったが、同馬が調教駆けしないのはいつものこと。予定通りの最終デモを終えた。

 クラシックの登竜門・共同通信杯を制したのがオウケンムーン。前走・皐月賞は5番人気に推されたが、12着といいところを見せられなかった。主戦の北村宏は「前走は少し後ろになってしまった。今回は普通に流れに乗れれば。距離はこなせると思う」と逆襲に闘志。最終追いで得た感触については「状態は大きく変わっていないが、動けていました」と納得の表情だ。

 勢いならプリンシパルSを制したばかりのコズミックフォースか。師は「息の入りはムーンの方がいいけど、動きはコズミックが良かった。状態面はOK」と合格点。「レース間隔が詰まっているので、体重は前回(466キロ)くらいあれば」と好状態を伝えた。

 共同会見で大竹師(ブラストワンピース)、木村師(ステルヴィオ)の若き指揮官たちが、ダービー初出走への思いを“熱弁”したこの日の美浦。ひょうひょうと「ダービーをエンジョイします」と言ってのける名伯楽が対照的だ。オークス前にも感じた“無我の境地”。高木はこの余裕が怖い。

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2018年5月24日のニュース