【日本ダービー】エポカ、2冠参観 孝行息子の晴れ姿見守る

[ 2018年5月23日 05:30 ]

2冠を狙うエポカドーロ
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 今年の競馬の祭典は日高が元気です!!「第85回日本ダービー」は日高山脈の麓に広がる競走馬生産の“聖地”の日高地区から多数エントリー。2冠に挑む皐月賞馬エポカドーロの田上徹牧場、青葉賞で優先権を得たゴーフォザサミットの矢野牧場、兵庫チャンピオンシップ快勝テーオーエナジーのオリエント牧場。黙々と競走馬生産に励む小さな牧場から、でっかい夢を願っている。

 千歳空港から車で約2時間。エポカドーロを生産した田上徹牧場は、のどかなサラブレッド生産牧場の原風景が広がる。皐月賞前日に偉大な母ダイワパッションが当歳(父ドゥラメンテ)を無事出産。父・稔さんから引き継いで4年目の徹さん(35)は数日間は熟睡せず。皐月賞当日も午前3時から馬の世話を滞りなく済ませ、千歳〜羽田空港へ。懇意にしている坂本浩一オーナーが出迎え、家族と中山に急行したという。

 妻・恵子さんはJRA競馬場は初観戦。「何もかも初めてで、フワフワした感じでした」。高揚感の中で見事優勝。直後から徹さんの携帯電話は鳴りっ放し。「すぐ電池切れ。空港で慌てて充電しました」と牧場にトンボ返りしたという。

 母ダイワパッションは05年フェアリーS、06年フィリーズRを制したスピード馬。牧場時代から片りんを発揮と思いきや、徹さんは「今もおとなしいけど、前に行く馬に加わらず、後ろで1頭置いてけぼり。これで大丈夫?そんな子供だったそうです。だから現役時はビックリ」と述懐する。

 新種牡馬が大好きな徹さんが交配相手に11年3冠馬オルフェーヴルを選んだエポカドーロも幼少時は「小さくて、体が薄くて目立たなかった」。それが吉澤ステーブル(浦河町)で育成が進むと一変。徹さんが2歳初めに同所で見た時には「トモ(後肢)の甘さがなくなり、たくましくなった。別の馬のようだった」と目を疑った。中山で見た我が子は一段と成長。「育成に携わった方々、そして藤原英厩舎のおかげ。牧場の時と全く変わるぐらいじゃないと大レースは勝てない…。そう痛感しました」と母同様の成長力に感心した。

 ダービー当日は家族全員で東京競馬場で応援するという。「無事に走ってほしいと思います」。徹さんは孝行息子の晴れ姿を優しく見守っている。

 ▼田上徹牧場 新ひだか町三石本桐。代表は田上徹氏。繁殖牝馬は7頭。代表馬はマイネルレコルト(04年朝日杯FSなど重賞2勝)、ダイワパッション(06年フィリーズレビューなど重賞2勝)、ジョウテンブレーヴ(01年マイラーズCなど重賞4勝)。 

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