【日本ダービー】サンリヴァル、耐えて差す 皐月賞2着で進化

[ 2018年5月23日 05:30 ]

坂路で調整するサンリヴァル(撮影・平嶋理子)
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 過去の波乱パターンから穴馬をあぶり出す「激走馬 ロックオン」は戦国89年との共通点に注目。浮上した穴馬は?

 情勢 今年の皐月賞は、不動の1番人気になるはずだった4戦無敗のダノンプレミアムが挫石で回避。一転して混戦ムードが漂った。勝ったのは先行3頭から離れた4番手で実質的なマイペースに持ち込んだ7番人気エポカドーロ。弥生賞でプレミアムの2着だったワグネリアンが1番人気も末脚不発で7着。2着サンリヴァル(9番人気)、3着ジェネラーレウーノ(8番人気)と伏兵が台頭した。一見するとインパクト不足な結果だけに、ダービーは仕切り直して頂点を狙うプレミアム、クラシックとは別路線で3戦無敗のブラストワンピースが上位人気必至の様相だ。

 類似 今年のように皐月賞不出走馬が人気を集めたのが89年。3連勝で若草Sを制したロングシンホニーが1番人気、2番人気マイネルブレーブもNHK杯3着からの臨戦で皐月賞には出走していなかった。結果はその2頭が5、7着に沈み、皐月賞2着のウィナーズサークルが巻き返して重賞初制覇を飾った。

 経験 ウィナーズサークルはデビューから芝3戦で勝ち切れずダートに矛先を変えて勝ち上がったが、ダービー前に皐月賞で再度芝&一線級と戦った経験が生きた。その皐月賞で初めて中団から差す競馬を経験。ダービーも同様のレース運びでVと、敗戦を糧に先行脚質から自在性を身に付け大輪の花を咲かせたのだ。これに今年の皐月賞2着サンリヴァルの姿が重なる。

 栄冠 サンリヴァルも2番手もしくは逃げて重賞連続4着と以前は善戦止まり。それが皐月賞では5番手に控え、直線で脚を伸ばして2着と進境を見せた。藤岡師も前走後に「ためれば切れる脚はある」と断言している。前走とは違い他馬から濃厚マーク必至のエポカドーロより展開は楽。皐月賞不出走で厳しい流れは結局未経験のプレミアムとブラストを経験値の差で抑えれば栄冠が見える。

 ◆89年VTR 5番人気までが単勝1桁倍率という混戦の中、中団から伸びたウィナーズサークルがリアルバースデーとの叩き合いを制し、史上初の茨城県産、芦毛のダービー馬が誕生した。3連勝中で1番人気に推されたロングシンホニーは、中団から伸びを欠いて5着。80年オペックホース以来2度目のダービー制覇となった郷原は後に「日本ダービーを勝たせるためにこの馬を教育していた」と語った。

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2018年5月23日のニュース