【NHKマイルC】カシアス 華麗に“舞って”押し切る

[ 2018年5月2日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=栗東・1日】蝶のように舞い、蜂のように刺す。それが本来のカシアスだ。前哨戦のニュージーランドTで7着に敗れたことから人気は急落。“勝ち負け”のリングから蹴落とされた。

 が、こんな馬こそ要警戒だとオサムは思う。無視された逃げ馬ほど怖いものはない。526メートルを誇る東京競馬場の長い直線。イメージ的には差し&追い込み有利に思えるが、NHKマイルCに関して言えば近年、“前残り”が多いのだ。

 14年のミッキーアイルは1番人気に応える堂々の逃げ切り。続く15年のクラリティスカイは好位5番手ポジションからの抜け出し。一昨年のメジャーエンブレムも逃げ切り。昨年のアエロリットはハナを切り引っ張るボンセルヴィーソの2番手から押し切った。

 今回、同型のテトラドラクマはできれば2番手が理想のタイプ。これが競り合いを避ければカシアスは案外楽な逃げが打てるかもしれない。前哨戦の戦いぶりを清水久師はこう受け止めていた。

 「“主張”し過ぎた。あれでは最後に坂で止まってしまう。この馬は逃げ馬ではないからね。行くのならシンザン記念の時のようにジワッと先行しなければ」

 NZTの千メートル通過が59秒1。極端に速いペースではない。しかし誤算があったとすればスタートから“行きっぷり”が良過ぎたこと。それでゴール前まで際どく踏ん張っていたことを思えばダメージはない。

 「この馬のリズムで走れれば東京の千六でも十分やれる」と指揮官。再びファイティングポーズを固め、いざ東京へ。伝説のボクシング世界ヘビー級王者カシアス・クレイ(後にムハマド・アリと改名)のような華麗な立ち回りで“ひと刺し”を狙う。

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2018年5月2日のニュース