【皐月賞】コマンドール 史上最少3戦目Vへ「能力はある」

[ 2018年4月11日 05:30 ]

坂路でキャンター調整をするキタノコマンドール
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 ビートたけし命名、新興クラブ法人「DMMバヌーシー」の目玉として早くから注目されたキタノコマンドール。話題先行の感は否めなかったが、2戦2勝の戦績に風向きは変わりつつある。鳴り物入りのデビュー戦こそ首差の辛勝だったが、2戦目の前走すみれSが圧巻。8頭立てのスローペース。本来なら主導権を握ったケイティクレバー(2着)が楽に逃げ切れる展開を、最後方追走から差し切ってみせた。

 単なる追い込みではない。3角で先頭から8馬身ほどあった差を、コーナーで大外を回って一気に詰め、直線入り口では2番手まで浮上。射程圏に入れたクレバーを、3F33秒8の切れ味で捉えた。「3〜4角の加速力が凄く、そこからスピードを維持できる。初戦からの上積みも大きかった」。池江師は前走を振り返りながら、最大のセールスポイントを強調する。

 キャリアわずか2戦。池江師は課題も十分に把握している。「歩様が硬く、コズミ(筋肉の硬直、痛み)のある馬だが、暖かくなったのと体力が付いたことで、だいぶ改善されてきた。前走は追いだしてからフラフラした。真っすぐ走れるようになれば、さらにいい」。ここまでの2戦は12、8頭立てと少頭数。「重賞自体が初挑戦だし、中山も多頭数も初めて。王道を歩んできた馬とやって、どこまで通用するのか。高卒ルーキーのプロデビュー戦みたいなもの」と冷静に分析する。

 まだまだ成長途上。指揮官はその点を踏まえた上で「能力があるのは確か。いろんな意味で注目される、たけしさんにあやかって、いい結果を残せれば」と締めた。初戦騎乗のルメール、2戦目の福永にそれぞれお手馬が存在する中、皐月賞4勝を誇るM・デムーロに手綱が回るあたりにも、何かを“持ってる”と感じさせるコマンドール。競馬界の「世界のキタノ」へ。伝説の序章となるか。

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2018年4月11日のニュース