【桜花賞】まず1冠!アーモンド アパパネ先輩超えレコードV

[ 2018年4月9日 05:30 ]

C・ルメールを背に大外から差し、桜花賞を制したアーモンドアイ(手前)
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 異次元の末脚!!アーモンドが桜のヒロインに。牝馬クラシック第1弾「第78回桜花賞」が8日、阪神競馬場で行われた。2番人気アーモンドアイが最終4コーナー16番手から大外一気で優勝。勝ち時計1分33秒1はレースレコード。騎乗したルメール(38)は桜花賞初V。管理する国枝栄師(62)は10年の牝馬3冠馬アパパネ以来、2度目の桜花賞制覇。既に3冠の呼び声も出ている新女王は、次走オークス(5月20日、東京)で堂々の主役として2冠を目指す。

 最終4コーナーでも後ろから2番手。一見絶望的な位置からアーモンドアイのルメールはゴーサインを送った瞬間、叫んでいた。

 「ワオ〜。勝てる」

 残り16頭が止まったかのような直線。ラッキーライラックの石橋が手綱をしごいて先頭に出たラスト1Fすぎ、大外から一瞬でのみ込んだ。衝撃のメンバー最速3F33秒2!!勝ち時計1分33秒1は、同じ国枝厩舎の偉大な先輩アパパネ(1分33秒3=10年)を上回る桜花賞レコード。規格外のニューヒロイン誕生だ。

 桜花賞初制覇を飾ったルメールは、史上3人目(武豊、蛯名に次ぐ)のJRA牝馬限定G1完全制覇のおまけ付き。昨年10月東京未勝利戦以来、約半年ぶりの実戦で騎乗した鞍上は「信じられない…。凄い脚を使った。直線は自分から走ってました。僕は前だけ見て、ラッキーライラックは見てません」と称賛の言葉を並べた上、キラリと目を輝かせた。「体が大きくなってパワーアップした。直線は外から1人。ハープスター(14年桜花賞馬)みたいだったね。僕はパッセンジャー(乗客)。何もしていない。今日はライバルがいなかったね!!」

 見届けた国枝師も思いは同じだった。美浦からの長距離輸送も無事クリアし、装鞍所からパドックと気品に満ちた堂々の振る舞い。スタート直後の「ちょっと後ろ過ぎるかな?」の不安はすぐ吹き飛んだ。「凄くリラックスして、走っていた。直線では間に合うと思った」と強烈な瞬発力をファンと一緒に堪能した。

 指揮官が1歳春に初めて見た時から「いい顔をしている。バランスがいい」とホレ込んだ。牝馬3冠馬アパパネを育てた名伯楽は「アパパネは“力”という感じ。調教でもへこたれない。こちらは女の子。無駄な肉が付かない。研ぎ澄まされたという感じ」と比較した上で、偉大な先輩と双璧の将来性を感じている。

 次走はもちろん、2冠が懸かるオークス。ルメールは「凄く乗りやすい。絶対に2400メートルもいける。もちろん、トリプルクラウン(3冠)を狙える」とゾッコン。短距離界で一時代を築いたロードカナロア産駒のG1初制覇。06年オークス2着惜敗の母フサイチパンドラの雪辱戦にもなる。国枝師は「一番の長所はコントロールが利くこと。母のSS(サンデーサイレンス)の血が生きれば、長いところもいけるはず。4連勝(ラッキーライラック)の馬を負かしたのだから凄いこと。3冠もいけると思う。凱旋門賞?それもいいね」と壮大な夢をはせていた。

 ◆アーモンドアイ 父ロードカナロア 母フサイチパンドラ(母の父サンデーサイレンス) 牝3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績4戦3勝 総獲得賞金1億7595万8000円。

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