現役最年長52歳木幡父が引退…G1勝利の夢は息子3人に託す

[ 2018年3月30日 05:30 ]

17年4月1日、中山6Rで同レースに騎乗した木幡親子。(左から)長男・初也、父・初広、次男・巧也、三男・育也
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 JRA現役最年長騎手の木幡初広(52)が31日をもって現役引退することが29日、JRAから発表された。現役最後の競馬開催日となる31日の騎乗予定はなく、24日の中山10R・春風S(プレシャスエース=5着)が最後の騎乗となった。今後は杉浦厩舎で調教助手となる予定。

 JRA馬事公苑で養成された最後の世代として、84年3月デビュー。同5月13日、新潟1R(エドワーズシチー)で初勝利、97年新潟記念(パルブライト)で重賞初V。06年ダービーグランプリ(盛岡)をマンオブパーサーで制し、交流G1制覇を飾った。長男の初也(22=鹿戸)、次男の巧也(21=牧)、三男の育也(19=藤沢和)がいずれも現役騎手として活躍。昨年4月1日中山6RでJRA史上初めて親子4人の対決が実現し、話題を集めた。

 木幡は「この年齢まで乗り続けることができたのは関係者や理解のあるオーナーのおかげと感謝しています。特に妻には感謝しています。妻がいなければ息子たち3人は騎手になっていなかったと思います。34年間の騎手生活はやり切ったという思いがします」と感謝の思いをコメントした。

 一方、11年東日本大震災で南相馬市にある実家が津波による浸水で被災し、昨年に解体。12年4月7日に503日ぶりに再開した福島競馬では騎手代表として、あいさつ。復興を願い続けて、騎手人生を送った。

 「今後は自分が勝てなかった(JRAの)G1を子供たちに勝ってほしいと願っています」と3人の息子に夢を託して、静かにムチを置いた。

 ◆木幡 初広(こわた・はつひろ)1965年(昭40)6月14日生まれ、福島県南相馬市出身の52歳。東京・世田谷の馬事公苑・騎手養成所を経て、84年に稲葉隆一厩舎所属でデビュー。JRA成績は通算1万2879戦、784勝(29日現在)。重賞は02年福島記念(ウインブレイズ)など8勝。1メートル60、51キロ。血液型O。

 ▼長男・初也 三男(育也)がデビューした時点で、父はひとつの区切りをつけていたのだと思う。父が納得いく形で引退できれば、僕らはそれでいい。今までありがとう、お疲れさまと伝えたいです。

 ▼次男・巧也 寂しい気持ちもありますが、これからは父の分も頑張っていきたいです。

 ▼三男・育也 寂しいです。昨年、4人で同じレースに騎乗できてよかった。立場が変わっても、僕らにアドバイスをしてくれると思う。

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2018年3月30日のニュース