【スプリングS】ハッピーグリン、バルク超えへ駆け上がれ!

[ 2018年3月14日 05:30 ]

屋根のついた坂路でホッカイドウ競馬の服部茂史を背に追い切るハッピーグリン
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 コスモバルクの衝撃から14年。北の大地から再びクラシック切符を狙う。18日中山メインの皐月賞TR「第67回スプリングS」(3着までに優先出走権)に向け、公営・ホッカイドウ競馬のハッピーグリン(牡3)が13日、門別競馬場の坂路で最終追い切りを行った。抜群の動きに道営のトップトレーナー田中淳司師(45)は太鼓判。また、同馬のオーナー会田裕一氏(35)には地方から中央に挑戦する熱い思いを聞いた。

 雪が残る門別。だが、そこには屋根付き坂路という強力な武器がある。白い息を吐きながら軽快に坂路を駆け上がったハッピーグリン。鞍上の服部茂の手は微動だにせず。前進気勢を保ち力強い脚さばきを披露。単走で3F12秒2―11秒5―12秒3の好時計を叩き出した。

 「1週前にビシッと追い、今週は輸送があるのでサラッとの予定だったが、思った以上の時計。持ったままでだから具合は本当にいい。今までで一番。後肢がしっかり使えるようになった」。3年連続道営リーディングの田中淳司師は笑顔で伝えた。

 門別の坂路は12年5月に完成。「大きな強み。最初は試行錯誤だったが近年は使用法が確立してきた」と師は話す。その言葉通りに翌年、坂路調教馬のハッピースプリントで交流G1を初制覇(全日本2歳優駿)。道営勢全体を見ても昨年はJRA2歳オープンで2勝と活躍。坂路効果は確実に出ている。ハッピーグリンも1歳末に入厩後は坂路中心で鍛えた。昨夏はJRA札幌に参戦しコスモス賞、すずらん賞で共に3着好走。前走セントポーリア賞で厩舎にJRA初勝利をプレゼント。実は、早くから「芝向き」と感じていた田中師は打倒JRAへ新調整法を取り入れていた。

 通常メニュー坂路2本を前走前から週に1、2回、同3本に増量した。「中央馬に勝つにはより負荷をかけないと。3本分の負荷に耐えられるくらい、後ろがパンとして身も入ってきた」と意図を説明する。その強化策が前走、上がり3F最速(33秒3)の鬼脚で差し切る勝利に結び付いた。

 スプリングSの1週前追いも同3本を課し、3本目で3F36秒0(いっぱい)を計時。今までより負荷をかけた状態でも、自己ベスト(35秒8)に近い時計が出るまでに地力強化した。門別坂路の申し子。さらにその“進化版”ともいうべき存在のハッピーグリン。ここまでダート【2・3・0・2】に対して芝【1・0・2・0】適性はばっちりだ。師は打倒JRA。そしてコスモバルク超えの中央クラシック制覇へ――。ホッカイドウ競馬の進化を証明する走りを見せる。

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