【京都記念】クリンチャー大金星 盾へ視界良好G1馬4頭撃破

[ 2018年2月12日 05:30 ]

藤岡佑を背に京都記念を制したクリンチャー
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 強豪が集結した「第111回京都記念」は4歳クリンチャーが大金星。1番人気だった昨年のダービー馬レイデオロは3着に敗れた。

 目を見張る成長を証明した。クリンチャーは菊花賞2着以来のレース。スッとスタートを切ると4番手のインでジッと我慢した。直線で馬場の真ん中に持ち出す。視線は外で叩き合う皐月賞馬アルアインとダービー馬レイデオロに向いた。その瞬間、内からクリンチャーが伸びて一気にVゴールを駆け抜けた。この日4勝を挙げた藤岡佑が充実の表情で振り返る。

 「思ったよりスタートが決まりました。レイデオロが外めに付けているのが分かったのでインで我慢した。馬に差し切ろうという意欲があったし、強かった。今後に向けて自信となる内容でした。あとはG1タイトルだけ。何とかこの馬でと思います」

 G1馬4頭を破って初タイトル。それも相手は同世代で昨年のクラシック戦線をにぎわせた馬たち。宮本師が「G1馬を相手にやれたし、この1勝は自信になる」と言えば、担当の長谷川助手も「馬が全然変わっている。いつもと違うパターンの競馬で頑張ってくれた」と愛馬をねぎらった。

 進化の跡は調教にも見えた。攻め駆けしなかった馬が、坂路の最終追い切りで自己ベストを2秒以上も更新。同助手は「確かに元々調教は動かなかった。でも、走ることを覚えて馬がしっかりしてきた」と成長を感じ取っていた。観戦に訪れた前田幸治オーナーは「G1馬4頭を相手に立派。これで胸を張って、天皇賞(春)へいける」と喜びを表現した。G1ホースへの足音が聞こえてきた。クリンチャーの快進撃は始まったばかりだ。

 ◆クリンチャー 父ディープスカイ 母ザフェイツ(母の父ブライアンズタイム)牡4歳 栗東・宮本厩舎所属 馬主・前田幸司氏 生産者・北海道新冠町平山牧場 戦績8戦3勝 総獲得賞金1億5664万2000円。

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2018年2月12日のニュース