【根岸S】ノンコノ“夢”G1制覇へ!レコードVで久々の美酒

[ 2018年1月29日 05:30 ]

内田を背に根岸Sを制したノンコノユメ(中央手前)。2着はサンライズノヴァ(中央右)
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 残雪の高速ダートで復活Vだ。ダートG3「第32回根岸S」が28日、東京競馬場で行われ、6番人気ノンコノユメがコースレコードで快勝。15年武蔵野S以来となる久々の白星で、G1フェブラリーS(2月18日、東京)の優先出走権を獲得した。

 直線残り100メートルから一騎打ち。先行馬群をのみ込んで先頭に立った1番人気サンライズノヴァに、道中からマークしていたノンコノユメが外から襲いかかる。粘る戸崎と追う内田。南関出身同士のプライドを懸けた追い比べで、互いに譲らずゴールへ。最後に右ステッキ2発を叩き込んだ内田ノンコが、わずかに鼻差ねじ伏せていた。

 雪解けの水分をたっぷり含んだ高速ダートでの決着は1分21秒5。08年欅Sでフェラーリピサがマークしたコースレコードを0秒4更新した。前半3F通過33秒9は、同日京都の芝重賞シルクロードSより0秒1速かった。残雪が生んだ超ハイペースでの差し切りV。初コンビの内田は「素晴らしい脚で伸びてくれた。コーナー手前から慌てず、砂をかぶらないところに出せた。切れ味が凄い馬なので、それを生かせればと思っていた。(成績が)足踏みしていた馬を、勝たせることができてよかった」。喜びより安どの色が濃い表情で振り返った。

 15年武蔵野S以来、約2年2カ月ぶりの美酒。「スカッとしたね」。加藤征師は満面の笑みで愛馬を出迎えた。砂をかぶると走る気をなくすノンコ。「とにかく砂をかぶらない位置で。そうすれば確実に伸びる」。そう言い続けてきた指揮官の理想の運びだった。

 3歳時に重賞を3連勝した実力馬だが、4歳夏に去勢して以降は伸び悩んだ。「おとなし過ぎて、牝馬のようだった」と師。ホルモンのバランスが崩れ、思うように体重が増えない時期もあったが、徐々に心身のバランスが整い、それにつれて馬体もたくましさを増した。師は「ようやく戻ってきた感じ。調教量も以前より増やしている。後ろの馬を蹴ろうとしたり、パドックで発汗したりと、いい頃のしぐさも戻ってきた」と頬を緩めた。

 前哨戦を完勝し、3年連続の挑戦となるフェブラリーSへ。指揮官は「今日のレースが刺激になって、本番も同じ結果になればいいね」と締めくくった。雌伏の時を経て、進化を遂げたノンコノユメ。さらなる強敵が待ち構える本番へ、過去2回より手応えを持って臨むのは間違いない。

 ◆ノンコノユメ 父トワイニング 母ノンコ(母の父アグネスタキオン)セン6歳 美浦・加藤征厩舎所属 馬主・山田和正氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績20戦7勝(うち地方5戦1勝) 総獲得賞金3億2220万9000円(うち地方8800万円)。

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