【有馬記念】“日本の宝”ジェンティル 幸運枠生かしリベンジ果たす

[ 2017年12月24日 10:15 ]

引退レースとなった14年の有馬記念を勝利で飾ったジェンティルドンナ
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 【有終の美 優駿の美】貴婦人物語の最終章は、レース前に最初のハイライトを迎えた。14年は抽選順に希望枠を選べる“枠順ドラフト”を開催。ヤンキース・田中将大が手にした“1番くじ”にはジェンティルドンナの名前があった。石坂師は迷わず「2枠4番」を選択した。

 ジャパンCで前人未到の3連覇を達成し、競走馬生活を終えるはずだった。しかし、結果は4着。「こんな馬じゃない。力を出し切っていない」。石坂師はレース直後に有馬参戦を決めた。暮れの荒れた芝は合わないと、避けてきたG1。だが、14年はスタンド改修で9月開催がなかった。例年よりも芝の状態がいいはず。勝算はあった。

 レースは幸運枠を戸崎が生かし切った。好位から抜け出し、後続の追い上げを危なげなく振り切った。「過酷な使い方をして、馬には申し訳なかった。ジェンティルは日本の宝。勝ってくれて良かった」。石坂師は目を潤ませ、愛馬の激走を称えた。

 17億円を超えた獲得賞金は、今も日本牝馬の最高額。3歳で牝馬3冠、4歳でJC連覇、そして5歳でドバイ&グランプリ有終V。ドラマチックな演出で、ファンを魅了し続けた名牝は、華のまま、ターフに別れを告げた。=終わり=

 ◆ジェンティルドンナ 父ディープインパクト 母ドナブリーニ(母の父ベルトリーニ) 栗東・石坂厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績19戦10勝(うち海外2戦1勝) 総獲得賞金17億2603万400円(うち海外3億9982万400円)。馬名はイタリア語で「貴婦人」。

 ▽14年の世相 消費税8%に引き上げ。STAP細胞騒動。「笑っていいとも!」放送終了。「アナと雪の女王」大ヒット。「ダメよ〜ダメダメ」

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2017年12月24日のニュース