【キタサンブラックと私】タフネス「つらい調教にも耐えてくれた」清水久師感謝

[ 2017年12月22日 10:30 ]

キタサンブラックに寄り添う清水久調教師(右)
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 清水久師は浜田光正厩舎で98年桜花賞などG1・3勝を挙げたファレノプシスを担当していた。キタサンブラックのラストランを前に「あの時はどうだったかなと思い出すようなことはあります。感傷的にならないよう、きっちりと仕上げることに気持ちを専念します」。心根がブレることなく、仕上げに集中していた。

 最終走は節目の20走目。クラシック登録をしていなかった馬がここまでのスターホースに上り詰めた。3歳秋でグンと良くなり、名馬への道をひた走った。その礎にあるのは、タフネスぶりだろう。

 「ここまでよく頑張ってくれた。とにかく丈夫。ここが痛い、あそこが痛いというのが全くなかった。つらい調教にも耐えてくれた。結局、考えたローテーションを一度も変更することなく、ここまで来ました」

 1日に坂路3本乗りを課した時期もあった。素質は丹念に磨き上げられることにより完成した。北島三郎オーナーの所有馬ともあり、キタサンブラックは国民的名馬に昇華。2年連続ファン投票1位で登場する。

 「4回ファン投票で1位に選んでもらって、ありがたいですね。ただ、結果を出せていないので頑張りたい。いい形で締めくくって終わりたいですね」

 清水久師は学生時代、陸上の中距離ランナーとして部活動に打ち込んだ。そんな話の流れで「キタサンブラックと一緒ですね」と主戦・武豊に突っ込まれていた。どんなに単調でつらい練習も、いつかは身になる時がやってくる。その集大成――。幾多の夢を乗せて、ハッピーエンドへ突き進む。

 ◆清水 久詞(しみず・ひさし)1972年(昭47)7月4日生まれ。大阪府出身の45歳。09年に厩舎開業。JRA通算2412戦178勝。13年ダービー卿CTで重賞初勝利。重賞は今年、キタサンブラックの他にジョーストリクトリでニュージーランドT、カシアスで函館2歳Sを制し通算16勝。

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2017年12月22日のニュース