【有馬記念】全てはラストランのため シンボリクリスエス結実の9馬身差V

[ 2017年12月21日 08:30 ]

第48回有馬記念、圧巻の9馬身差でゴールしたシンボリクリスエスと導いたペリエ
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 【有終の美 優駿の美】SMAP「世界に一つだけの花」が、200万枚超えのダブルミリオンセールスを記録した03年。暮れも押し迫った12月28日の中山で、ひときわ大きな花を咲かせ、有終の美を飾ったのがシンボリクリスエスだ。

 ザッツザプレンティとアクティブバイオが競って逃げる縦長のハイペース。2頭から10馬身近く離れた4、5番手グループで折り合い、鞍上のペリエは先行勢の消耗を待った。読み通り、3角手前で前との差が一気に詰まる。直線入り口で先に抜け出したリンカーンを捉えて先頭に立つと、あとは独り舞台。2着リンカーンにつけた9馬身差は、今も破られていない有馬記念での最大着差。当時のコースレコードを12年ぶりに更新する圧巻の走りを、ペリエは事もなげに「イージードライブ」と振り返った。

 管理する藤沢和師も並々ならぬ決意で臨んだ一戦だった。馬の将来を重視し、調教で馬を追い込むことを極端に嫌うのが藤沢流。そのポリシーも曲げ、ジャパンC3着敗戦後から1カ月、芝コース2周追いなど、短期間に徹底したハード調教を課した。全てはラストランを飾るため。同じくレース直後に引退式が控えていたタイキシャトルのラストラン(98年スプリンターズS)で、3着に負けた苦い経験がある師。戦前は「シャトルの失敗があるから気が楽」とうそぶいたが、結実の圧勝劇に「ホッとした。格好良く締められてよかった」。安どの笑みを浮かべ、引退式の壇上へと向かった。

 ◆シンボリクリスエス 父クリスエス 母ティーケイ(母の父ゴールドマリディアン)美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・シンボリ牧場 生産者・米国タカヒロ・ワダ氏 戦績15戦8勝 総獲得賞金9億8472万4000円。

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2017年12月21日のニュース