【有馬記念】クラウン“金の一手”2週連続ポリトラックで上昇

[ 2017年12月21日 05:30 ]

<有馬記念>併せで追い切るサトノクラウン(左)
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 サトノクラウン復活へ。関東の名門・堀厩舎が、新手を繰り出した。最終追いは2週続けて、ポリトラックでキャンベルジュニア(阪神C出走)と併せ馬。稽古駆けせず、直線の反応がモタつくタイプだが、今回はいつになくスムーズな加速。4角から軽快な併走で、最後は首をグッと突き出してゴールした。

 普段はウッドチップでの調教が基本の堀厩舎。珍しいポリトラックでの調整について、堀師は「大きな理由が2つある」と切りだした。「まずはメンタル面。普段乗ってるコースに慣れてしまい、ゴールで気を抜くことが多くなったので、刺激を与えたかった」

 もう一点、指揮官はあえて愛馬のウイークポイントに触れた。「この馬はトモ(後肢)の仙腸関節(骨盤の一部)にズレがあり、背腰に疲れが残りやすい。冬場は暖かくなる遅い時間帯に追い切るので、ウッドも荒れている」。人工素材の均一な馬場で、肉体に余計な負担をかけず、かつ必要な負荷を課す狙いがあった。

 肝心の動きも「先週の動きが少し鈍かったので、今週は補う意味で強めにやる必要があった。先週より動きが良くなった」と合格点。調教後の回復も考慮し、通例の木曜追いを1日繰り上げ、レースまでの間隔を空けた。有馬は意外にも初出走。「距離は少し長い。工夫が必要で、ジョッキー(ムーア)と作戦を練りたい」と結んだ。新手は劇薬の妙手となるか。春秋GP制覇へ、ムーアの“指し手”も興味深い。

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2017年12月21日のニュース