【朝日杯FS】プレミアム圧倒V、無敗でクラシック堂々の主役

[ 2017年12月18日 05:30 ]

3馬身半差をつけてレースレコードで朝日杯FSを制したダノンプレミアム
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 2歳マイル王決定戦「第69回朝日杯FS」が17日、阪神競馬場で行われ、ダノンプレミアムが93年ナリタブライアン以来、24年ぶりとなる2着馬に3馬身半の着差をつけてのレースレコードV。単勝1番人気の期待に応え、無敗でG1制覇を達成した。中内田師もG1初勝利。勝利を確信したゴール前は人馬が流す余裕を見せたほどの強さ。28日にホープフルSを残すが、来春のクラシック戦線に大物出現を予感させた。

 全てが完璧だった。1番人気のダノンプレミアムは最内枠からトップスタート。ダッシュがつき過ぎるあまり、ハナに立つ勢いだったが「まだ大丈夫だよ」と、川田は馬の気持ちをなだめるよう好位の3番手インへ。淡々としたペースを絶好のポジションで運ぶと、直線はポッカリと空いたスペースを突いてグングン加速。ラスト300メートルで逃げるケイティクレバーを捉えると、あとは独壇場。後方から追い上げた2着ステルヴィオ以下を3馬身半差突き放す圧勝劇だ。2歳馬とは思えない抜群のレースセンスを鞍上が称えた。

 「直線は馬の力を信じました。強い競馬をしようと思い、自信を持ってGOサインを出しました。いい加速で期待通りの強さを見せてくれましたね」

 デビューから無傷の3連勝でG1制覇。無敗Vは一昨年のリオンディーズに続く史上13頭目。勝ち時計1分33秒3は、そのリオンディーズの記録を1秒1大幅に更新するレースレコード。「本当に賢い馬。その賢さが、この馬のいろんな面を引き出していますね。これからクラシックに向けて、いい時間を過ごしてほしいですね」。鞍上は来春の再会を心待ちにした。

 最上級のパフォーマンスを見せたのは馬だけではない。開業4年目の中内田師にとっても、これが初めてのビッグタイトル。今年10月にはJRA史上最速となる通算100勝を達成すると、今年は全国リーディングトップ10圏内へと飛躍。とりわけ今年の2歳戦は、14頭がデビューして7頭が勝ち上がるなど抜群の成績を残す。“主戦級”として馬にまたがる川田も思いはひとしおだ。「厩舎で初めてのG1を勝ててうれしいです」。インタビューを感激の面持ちで締めくくった。

 夢が広がる大きな勝利だ。中内田師はプレミアムと当歳時の牧場で出合った。「見たときから凄い馬だと思った」と師。そのインスピレーションは本物だった。「今後クラシックに向かうためには距離を延ばさなければならない。今日は道中で力みながら走っていたので、そのあたりを改善していきたい」と、さらなる高みへ手を緩めない。まさにプレミアムな走りは、来年さらに磨きがかかるはずだ。

 ◆ダノンプレミアム 父ディープインパクト 母インディアナギャル(母の父インティカブ)牡2歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・ダノックス 生産者・北海道新ひだか町ケイアイファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金1億1179万9000円。

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