【阪神JF】ラッキー無敗女王、父オルフェに初年度G1贈った

[ 2017年12月11日 05:30 ]

阪神JFの直線でリリーノーブル(右)との叩き合いを制したラッキーライラックが無敗で2歳女王に
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 デビュー3連勝で2歳女王へ。無敗対決が話題となった「第69回阪神JF」は10日に阪神競馬場で行われ、直線は2戦2勝同士の追い比べとなった。外から伸びたラッキーライラックがゴール前でリリーノーブルを捉え快勝。父オルフェーヴルに初年度からG1タイトルを届けた。1番人気ロックディスタウンは好位から伸びを欠いて9着。このレースの関東馬の連勝は3でストップした。

 今年も3戦無敗の2歳女王の誕生だ。直線力強く伸びた2番人気ラッキーライラックが、サンデーレーシングの勝負服2頭の一騎打ちを制した。デビューからコンビを組み続ける石橋のエスコート。外国人騎手が席巻していた秋G1で天皇賞(キタサンブラック)の武豊以来となる日本人ジョッキーのV。甘いマスクの鞍上が勝利をかみ締めた。

 「本当にうれしい。前回は少し力んでいたので、返し馬から気を付けていたがスッと落ち着いてくれた。目標も前にいたので、いいところにハマってくれた」

 同じオルフェーヴル産駒で1番人気のロックディスタウンは、スタートして200メートルすぎからポジションを上げた。逃げたラスエモーショネスのペースは遅かったが、石橋は慌てずジッと我慢。3〜4角でジワッと進出を開始、直線は左ステッキ連打で前にいたリリーノーブルに競り勝った。

 「手応えは素晴らしかったし、合図を送れば前走以上の脚を使ってくれると思っていた。反応のいい馬だけど抜群の反応でしたね」

 鞍上にとっては12年天皇賞・春(ビートブラック)以来のG1勝利。「長かったですね。大きなチャンスもあったが、未熟で取り逃がしたことも。また勝ちたいと思ってやってきて、良かったです」と、うれしさを隠し切れない。

 その天皇賞は断然人気だったオルフェーヴルを負かす大金星。その初年度産駒となる娘で見事タイトルをつかんだ。「オルフェの子でやんちゃかなと思ったが、初めて乗った時から落ち着いていた」と振り返る。

 ジョッキー時代に“牝馬の幹夫”と呼ばれた松永幹師にとっては、09年秋華賞(レッドディザイア)以来の平地G1V。指揮官も「オンとオフがハッキリしていて、扱いやすい馬。今日もパドックでも、いつも通り歩けていた」と、気性の激しかった父とは真逆の優等生ぶりに目を細めた。競馬界の“イケメン・コンビ”による鮮やかなG1制覇。先輩から「男前だね。しっかり追ってくれるし、頼もしい」と後輩ジョッキーにお墨付きを与えた。

 無傷の3連勝で2歳牝馬の“センター”に立った。馬名は5弁の花びらを付けたライラック(通常4弁)のことで、幸運のシンボルとされる。4カ月後には同じ舞台で、牝馬クラシックが開幕。指揮官は「春は桜花賞を目指すことになるが、距離が延びていいと思う。来年が楽しみ」と期待を寄せた。桜の下、再び“満開”の走りを見せつける。

 ◆ラッキーライラック 父オルフェーヴル 母ライラックスアンドレース(母の父フラワーアレイ)牝2歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金1億282万円。

 ◆石橋 脩(いしばし・しゅう)1984年(昭59)4月3日、東京都生まれの33歳。03年3月1日に中山でデビュー(1Rマグナヴィーナス2着)。初勝利は同29日の中京8R(エーピーダイモンジ)。15年目の今年、初めて年間50勝を突破。JRA通算9454戦557勝(10日現在)重賞は通算12勝目、G1は12年天皇賞・春(ビートブラック)に次いで2勝目。

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