【香港C】ネオリアリズム ペース向かず3着、日本勢V3逃す

[ 2017年12月11日 05:30 ]

香港C3連覇を逃した日本馬勢。左端は逃げ切ったタイムワープ
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 JRAが馬券発売した「香港国際競走」G1・4レースが10日、シャティン競馬場で行われ、日本馬8頭が出走したものの未勝利に終わった。春のクイーンエリザベス2世Cに続く香港G1制覇を狙った香港カップのネオリアリズムは3着。日本馬による同レース3連覇はならなかった。香港スプリント、香港マイルも結果は出なかったが、香港ヴァーズ3着のトーセンバジルは、来年以降の大きな飛躍を予感させた。なお、年末の香港で日本馬が勝てなかったのは14年以来3年ぶり。

 ゴール前、懸命に内でもがくネオリアリズム。しかし、独走態勢に入った地元馬タイムワープとの差は大きい。さらに後ろから襲いかかったのは香港の英雄・ワーザー。シャティンの熱烈な歓声を味方にした香港勢の勢いは止まらない。

 堀師が「レース前は一番気にしていた」とした課題のスタートはまずまず。好位2、3番手を追走したが、向正面で派手に口を割った。それでもどうにか折り合って迎えた直線。内から懸命に追いすがったものの、中盤のロスが響いたのか伸びはいまひとつだった。モレイラは「馬が行きたがってしまった。最後はよく3着に頑張ってくれた」と振り返り、堀師は「レースのペースが向かず、力を100%出し切ることができなかった」と悔しさを口にした。

 「今年は相手が強かったね」とはスマートレイアー(5着)騎乗後の武豊。近2年(15年エイシンヒカリ、16年モーリス)は日本馬が連勝していたカップだが、今年は3年ぶりに地元・香港馬に栄冠が輝いた。得意のスプリント、マイルは当然のごとく、この日のG1・3勝を地元勢が勝利した。香港ジョッキークラブは来年から調教専用のトレセンを中国の広州市に開場予定。現状は競馬場のコースでのみ調教を行う香港馬だが、これからは日本同様に坂路などで鍛錬を積むことができる。香港G1はもう簡単なレースではなくなるだろう。

 それでも来春は再びクイーンエリザベス2世C(4月29日、シャティン)に向かう見込みのネオ。“マジックマン”モレイラの好リードで4月にG1初タイトルを手にしたレースで連覇を狙う。まだまだ心身ともに若く、余す伸びしろは十分だ。香港勢の壁はさらに厚く、高くなりそうだが、大将格のネオを旗頭とした日本馬の反攻を期待したい。

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2017年12月11日のニュース