【阪神JF】ロック90点 完成度高い!程よい筋肉と輪郭

[ 2017年12月5日 05:30 ]

しっかり浮いた四肢の腱。父譲りの頑固さを秘めた目つきもあるロックディスタウン
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 東のオルフェ2世が一歩リードだ。鈴木康弘元調教師がG1有力馬の馬体を診断する「達眼」。第69回阪神JF(10日、阪神)ではロックディスタウンに最高点となる90点を付けた。達眼を捉えたのは父オルフェーヴル譲りの我の強い気性と完成度の高い体つき。西のオルフェーヴル産駒ラッキーライラックは2位の85点に評価した。

 瑠璃も玻璃(はり)も照らせば光るといいます。瑠璃は青色の宝石。玻璃は水晶。光を当てればどちらも美しく輝くことから、転じて、優れた才能はどこにあっても目立ち、活躍の場を与えられれば力を発揮するという意味です。

 ロックディスタウンのあふれる才能を称えたようなことわざ。栗色に包まれた立ち姿は美しい。深みのある首差しにふさわしい発達したキ甲(首と背中の間の膨らみ)。胸前と臀部にも程よい筋肉を付けて、滑らかな輪郭を描いています。球節の角度も絶妙で、飛節も大きめ。2歳牝馬の中では完成度の高い馬体です。

 四肢の腱がしっかり浮いています。脚元も丈夫なのでしょう。蹄も申し分ない。明るい栗毛にしても毛ヅヤが目立っています。よほど体調がいいのでしょう。欲を言えば、ひばらの張りとトモの厚みがもっと欲しいところですが、成長段階の牝馬なら許容範囲です。

 馬体とともに目を引くのが顎を引いた気持ちの入った立ち方。尾はゆったりと垂らしており、気負っているわけではありません。我の強さをうかがわせる立ち姿です。しかも、頑固さを秘めたような目つき。一見、余裕を持ってハミを受けているように見えますが、一筋縄ではいかない気性かもしれません。父は11年の3冠馬オルフェーヴル。「暴れん坊将軍」と呼ばれたほどのきついカン性も父から受け継いでいるようです。(NHK解説者)

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日、東京生まれの73歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70〜72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許を取得し、東京競馬場で開業。78年の開場とともに美浦へ。93〜03年には日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。

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