【エ女王杯】男名カッチャン初戴冠!止まらん“ミルコロガシ”

[ 2017年11月13日 05:30 ]

M・デムーロを背に華麗にクロコスミアをかわし、エリザベス女王杯を制したモズカッチャン(手前)
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 新女王は男名・カッチャン!!12日、京都競馬場で行われたエリザベス女王杯は5番人気の3歳モズカッチャンが、ゴール寸前でクロコスミアを差し切って堂々の戴冠。厩舎、馬主、生産牧場は悲願のG1初勝利を飾ったが、鞍上のミルコ・デムーロ(38)はこれぞG1請負人!とばかりに昨年に続く連覇を達成した。さらに今年のオークスから9度連続のG1複勝圏内となって“ミルコロガシ”なる造語も誕生。コロガシ続けた額にビックリだ。買い続けているファンにはたまらない一年になっている。

 雨でも晴れでも、どんな距離でも、この男には関係ない。ゴール前の接戦を制したモズカッチャンの馬上で、ミルコ・デムーロがガッツポーズ。鞍上にとって、今年のG1・5度目の歓喜だ。検量室前に引き揚げてくると「ヨッシ」と両腕を上げ、初のビッグタイトルをプレゼントした鮫島師と抱き合った。

 「自信は持っていた。ずっといい手応えだったし、ゴールの1完歩前で勝つと思った。最後にかわしてくれて、とてもうれしいね」

 内め5番枠からスタート。最内クインズミラーグロが逃げ、クロコスミアが2番手。行く馬を行かせ、相棒に負担をかけることなく好位のイン5番手で流れに乗った。レースの前半5Fは62秒0のスローペース。絶好の展開だった。「いい枠だと思っていたし、道中も一番いいところに行っていた」と振り返る。直線は迷わず内へ。抜け出したクロコスミアをゴール寸前で計ったように差し切った。

 ミルコにとっては、リベンジの懸かる一戦。前走の秋華賞は1コーナーで落鉄があり3着に敗れた。「チャンスはあると思ったけど、ツイてなかったね。今日は(蹄)鉄が全部あったから、最後まで頑張ってくれた」とジョークを交えて回顧。昨年のクイーンズリングに続く連覇を飾った。

 00年に開業した鮫島師にとっては、延べ62頭目の出走で悲願のG1。トレーナーは「最近は獲りたいという気持ちが凄く強くなっていたので、最高の気持ちです」と目を潤ませた。G1請負人からは心強いエールもあったという。「前々から、G1をプレゼントしてくれると言ってくれていた。ゴール後は心の底から抱き合った」と喜びをかみ締めた。

 惜敗続きだった同世代だけでなく、古馬もまとめて負かして牝馬の頂点に立った。指揮官は「パドックではイレ込む馬だが、今日は元気がないのかと思うぐらい落ち着いていた」と、大人になった姿に目を細める。今後について「少しゆっくりさせたいね。年内は今のところ使う予定はない」と明かす。来春にはドバイ遠征のビッグプランもある。世界の舞台でも、馬名通りの“勝負強さ”を見せてくれるに違いない。

 ◆モズカッチャン 父ハービンジャー 母サイトディーラー(母の父キングカメハメハ)牝3歳 栗東・鮫島厩舎所属 馬主・キャピタル・システム 生産者・北海道日高町目黒牧場 戦績9戦4勝 総獲得賞金2億3439万8000円。

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