瀬戸口元調教師死去 オグリキャップ育てた競馬ブーム立役者

[ 2017年11月11日 05:30 ]

90年5月、第40回安田記念を制したオグリキャップと瀬戸口師(手前)
Photo By スポニチ

 元JRA調教師で通算864勝(障害戦を含むG1・15勝)を挙げ、多くの名馬を管理した瀬戸口勉(せとぐち・つとむ)氏が9日、急性白血病のため滋賀県栗東市の自宅で死去した。81歳だった。通夜・葬儀は親族のみで営まれ、後日お別れの会が開かれる。

 59年に騎手デビューして73年に調教師免許を取得、75年に栗東で厩舎を開業した。88年、笠松から転厩してきたオグリキャップの大活躍で瀬戸口師の名は全国区となった。そのオグリキャップで有馬記念を2度制覇。語り継がれるのは90年のグランプリ。4番人気でラストランに挑んだ中山競馬場には17万人余りが駆けつけ、その勇姿を目に焼き付けた。ファンの絶叫が響く中、先頭でゴールを駆け抜けた奇跡の名馬に、競馬ファンにとどまらない老若男女が歓喜、涙した。

 そのほかにも02年の朝日杯FS馬エイシンチャンプや、03年の皐月賞&ダービーを制したネオユニヴァース、05年の桜花賞馬ラインクラフト、06年の2冠馬メイショウサムソンなどのG1馬を育て、07年に定年引退。

 元調教師の親友・北橋修二氏の弟子で、主戦騎手として多くの手綱を取った福永は栗東トレセン事務所で報道陣に対応。

 「2週間前に病気が分かって、それから進行が早くて…。あっと言う間でご家族はもちろん、僕もまだ事態を受け入れられません」と説明。「弟子のように支えていただいたんですが何も恩を返せないままでした。瀬戸口先生は亡くなったけど、近くで見守ってくださっていると思うので、それに恥じないよう頑張っていきます」と言葉を絞り出した。

 ▼北橋修二氏(元調教師で瀬戸口氏の親友、福永の師匠)先月15日に京都で開かれた社台グループさんのパーティーに一緒に行ったり、最近まで元気だったのでキツネにつままれた感じ。急に亡くなるなんて信じられないし、実感がありません。9日に娘さんから「お父さん、元気がなくなった」と連絡があり、それから自宅に向かって15分ほどで亡くなりました。友達であり、兄弟以上の双子のような存在でした。

 ◇瀬戸口 勉氏(せとぐち・つとむ=元調教師)1936年(昭11)11月3日生まれ、鹿児島県鹿屋市出身。55年、京都の上田武司厩舎で騎手見習い。59年騎手デビュー。63年ミスマサコで桜花賞に優勝。73年に騎手引退。通算成績は2534戦329勝。73年調教師免許を取得し75年開業。07年2月の引退までJRA通算8155戦864勝。88年、笠松から転厩してきたオグリキャップの活躍でその名は知れわたり、03年ネオユニヴァースで待望のダービートレーナーとなった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月11日のニュース