【エ女王杯】ディアドラG1連覇へ怪気炎 極上の切れ12秒2

[ 2017年11月9日 05:30 ]

坂路でチップを蹴り上げ、追い切るディアドラ
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 秋の最強牝馬決定戦「第42回エリザベス女王杯」の最終追いが8日、美浦&栗東トレセンで行われた。秋華賞でG1初制覇を飾った3歳代表ディアドラは栗東坂路でラスト1F12秒2と極上の切れ。さらなる上昇をアピールし、G1連覇へ怪気炎を上げた。美浦では前走・オールカマーを快勝した5歳馬ルージュバックが反応鋭く、パートナー2頭に先着。悲願のG1初制覇の期待が膨らんでいる。

 自慢の切れ味に磨きがかかった。秋華賞馬ディアドラの最終追いは未明からの雨で水分を含んだ坂路。騎乗した込山助手がゴール手前で右ステッキを1発入れるとグンと伸び、ラスト1F12秒2。前走時の最終追いはステッキ2発で12秒3(良馬場)だったが、明らかに反応は良化していた。見守った橋田師も満足げに切り出す。

 「しまいだけやっておくように指示したけど反応が速くなっている。至極、順調です」

 夏の札幌から3連勝で3歳牝馬の頂点に輝いた。ルメールとのコンビで挑んだ秋華賞は出遅れるアクシデントがありながら、名手の神騎乗でVにエスコート。指揮官は「うまくさばいてくれたし内容は満足」と評価する。

 春は桜花賞(6着)、オークス(4着)とあと一歩届かなかったが、夏から秋にかけて心身ともに成長。「体も増えているし、どっしり落ち着いてきた」と目を細める。アドマイヤグルーヴでエリザベス女王杯連覇を飾った指揮官も「カイバをしっかり食べて、強くなっているのがいい。消耗もしていないし、牝馬としては珍しいね」と驚きを隠せない。

 近2走は12キロ増→12キロ増の馬体。指揮官は「前走は少し余裕残しだった」と振り返り「もうちょっと絞れた方が走りやすい。今回はマイナスで出せそう」と、狙い通りの調整で古馬に挑む。「普通の馬より少し長く脚を使えるのが持ち味。外回りの方が競馬はしやすい。相手は強くなるけど、いい勝負になると思う」と締めくくった。

 牝馬3冠は全て上がり3F最速。同厩舎のアドマイヤグルーヴも14年前に、同じ3歳で強敵古馬を封じた。世代屈指の切れ味で、大先輩の再現を狙う。

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