【エ女王杯】ミラーグロ納得の動き 定年近い和田道師に栄冠を

[ 2017年11月9日 05:30 ]

単走で追い切るクインズミラーグロ
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 【G1ドキュメント=8日】朝一番の美浦南コース。浜田は双眼鏡で青い厩舎服の黒鹿毛を追った。デビュー時から注目しているクインズミラーグロ。最終追いは、この馬にとっては定番のポリトラック単走。向正面からコーナーまでは、ゆったりと走り、直線は馬なりで加速。軽めながらフットワークは機敏。ゴールを過ぎてもスピードを保ったまま、2角すぎまで流した。「日曜の追い切りで、あらかた仕上げているから、今日は息を整える程度。長めから15―15(1F15秒台のキャンター)で行って、しまいだけ伸ばす感じ。相変わらず動きは良かった」。和田道師は納得の表情で愛馬を出迎えた。

 前走・府中牝馬Sは12着。昨年暮れに準オープンを勝って以降、6戦続けて3着以内と安定していたミラーグロが久々に喫した大敗だが、師に悲観はない。「ゲートから出して、少し掛かり気味のところで、外から進路をカットされ、馬が怒ってしまった。コーナーまでずっと怒りっ放し。あれでエネルギーを消耗した。それでもそれほど負けたわけじゃない(0秒7差)。力のあるところは見せてくれた」と振り返る。

 牝馬重賞の常連だが、G1挑戦は3歳時の秋華賞(9着)以来2度目。「強い相手と互角に戦ってきた馬だし、全てがうまく運べばG1でも」。来年2月で70歳定年を迎える師にとって、残り少ないG1制覇のチャンス。「最後…」。そう言いかけた浜田の言葉を制して「これが最後とは思っていないよ」ときっぱり。ここを勝てば、年末の大一番も視界に入る。スペイン語で「奇跡」を意味するミラーグロの激走を、期待せずにはいられない。

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2017年11月9日のニュース