【天皇賞・秋】エース 札幌記念から“隠れ王道”で悲願盾獲り

[ 2017年10月25日 05:30 ]

悲願のG1制覇に向け坂路を駆け上がるヤマカツエース
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 「天皇賞・秋」といえば王道の毎日王冠、京都大賞典組が強いレースだが、実は札幌記念からの直行組も見逃せない。同レースがG2に昇格した97年以降、毎日王冠組(6勝)に次ぐ4勝をマーク。昨年Vモーリスも歩んだ“隠れ王道”から、悲願のG1制覇を狙うのがヤマカツエースだ。夏負けに苦しんだ昨年とは違い、春から描いた青写真通りの臨戦過程。盾獲りへ、エースをねらえ!!

 同じ失敗は繰り返さない。昨年も札幌記念から秋の盾に挑戦したヤマカツエースだが、結果は15着惨敗。池添兼師は「とにかく体調が本物ではなかった。宝塚記念を使った後の夏負けで、立て直すのが本当に大変だった」と振り返る。暑さに弱いエース。昨年の失敗も踏まえ、今年は4月の大阪杯で3着に好走した時点で早々と、宝塚をパスして札幌から始動するローテを決めた。涼しい北海道で苦手の夏をやり過ごした効果で、気温の低下とともに体調はグングン上昇。「昨年と比べても状態は格段にいい。1週前の動きも良かったし、いい感じに仕上がった」と師は胸を張る。

 昨年の有馬記念は首差の接戦だったサトノダイヤモンド、キタサンブラックから0秒3差の4着。今春の大阪杯でもブラックには0秒2差及ばなかったが、マカヒキやサトノクラウンを抑えての3着は価値がある。G1タイトルに手が届く位置には来ているはずだが、指揮官は至って冷静。「G1はコンマ何秒に何頭もひしめく世界。そこで勝てなければ意味がない。今回も甘くはない」と気を引き締める。

 東京コースは【0・0・0・3】。数字だけを見れば強調材料はないが、内訳は本調子ではなかった昨年のこのレースと、3歳時に挑戦したマイル重賞2戦(NHKマイルC、富士S13着)。今振り返れば条件が整わなかったゆえの凡走と割り切れる。左回り2000メートルは中京でG2金鯱賞を連覇している。「天皇賞も名古屋(中京)でやってくれれば、もっと自信を持てるんだけどね」。師は冗談めかした後に「やはりこの馬にとって左回りの2000メートルはベスト。相手は強いが、G1を勝つならここが一番のチャンスだと思っている」と力を込めた。

 前走・札幌記念は3着も「1番人気で前を早めにつかまえにいった結果。後ろの馬にやられたが、内容は悪くない」と振り返る。疲労回復に手間取った昨年とは違い、夏負けのない今年は思うように調教を積めた。「ベスト」のレースに初めて「ベスト」の状態で臨むエース。府中の直線を切り裂く、ロングショットに期待だ。

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2017年10月25日のニュース