【凱旋門賞】ダイヤ15着惨敗、重馬場に泣く 悲願また持ち越し

[ 2017年10月2日 05:30 ]

凱旋門賞で15着のサトノダイヤモンド(9)と、16着のサトノノブレス(10)
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 今年も歴史の扉を開けることはできなかった――。日本時間1日深夜、昨年に続いて仏シャンティイ競馬場で行われた「第96回凱旋門賞」で、日本から挑んだサトノダイヤモンド(牡4=池江)が15着と馬群に沈んだ。僚馬のサトノノブレス(牡7=同)は16着。勝ったのは“イギリスの怪物”3歳牝馬のエネイブルで、鞍上のデットーリは史上最多となる5回目の凱旋門賞制覇となった。日本馬の凱旋門賞制覇の夢は、またも持ち越しとなった。

 外めの13番からスタートしたサトノダイヤモンド。道中は中団近辺で折り合いに専念する。3コーナーからの下りもスムーズにこなし、直線にかけての上り坂を駆け上がっていった。さあ、最後の直線。外から伸びるかと思われたが、ここからエンジンが掛からない。いつもの末脚はなく、ズルズルと後退する。エネイブルをはじめとする世界の強豪の背中は遠いまま…15着惨敗を喫した。引き揚げてきたルメールが、悔しそうに口を開く。

 「こういう重い馬場が合わないのは、フォワ賞の時から知っていました。前回よりもパワーアップしていたし、馬のコンディションは良かったけど、自信はあまりなかった…。どの日本馬がこういう馬場に合うかは連れてきてみないと分からない」

 15年から日本に拠点を移した母国の名手ルメールにとっても、初制覇が懸かっていた。「ダイヤモンドは日本のチャンピオンホース。勝つために来た」と意気込んで臨んだ一戦だった。

 管理する池江師にとっては12&13年で2着に泣いたオルフェーヴル以来、3度目の挑戦。有馬記念を勝った後は凱旋門賞から逆算したローテを組んだ。春は先輩オルフェーヴルが4歳で挑んだ時と同じ阪神大賞典から天皇賞・春へ。タフな欧州の競馬に対応できるように長丁場のレースでスタミナ面を強化。そして8月20日、決戦の地に入った。

 しかし、ここからが試練の連続だった。前哨戦のフォワ賞で、まさかの4着に惨敗。指揮官は「前走は調教の時から息の入りが良くなくて、レース後も息遣いが良くなかった」と明かした。レース翌日に内視鏡検査で症状を診断。幸いにも「重篤ではなく矯正馬具で対処したら効果はあった」。これまでの経験を生かし、最善の策を打ったが…。

 さらに不利とされる外枠からのスタート。そして、再び道悪の馬場。悪条件が重なった中での惨敗。これが日本のトップホースの実力だとは認めたくはない。ルメールは「皆さん応援してくれてありがとうございます。来年、もう一回トライしたいです」と前を向いた。1969年のスピードシンボリから始まった日本馬の挑戦。今年も歴史の扉に手を掛けることはできなかった。

 ▼里見治オーナー すみませんでした。同じ負けるにしても、もうちょっと…。調教師は馬場が重かったと言ってましたが、他の要因は分かりません。他の馬でまた挑戦したいです。

 ▼川田(サトノノブレス16着)サトノノブレスの能力を一番発揮できる競馬を、という指示に従って騎乗しました。道中はサトノノブレスにとって、良いポジションで進めることができ、リズム良く走っていました。最後までよく頑張ってくれました。

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