【スプリンターズS】4連勝中ダイアナで福島師、悲願G1獲る

[ 2017年9月29日 05:30 ]

ダイアナヘイローとG1初制覇を目指す福島師
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 劇的G1初制覇なるか。「第51回スプリンターズS」は28日、出走16頭が確定。4連勝中のダイアナヘイローを管理する福島信晴師(70)は来年2月いっぱいで定年。幾多の個性派を育ててきたトレーナーも、G1は惜敗続きで未勝利。開業から28年7カ月での悲願達成へ、ベテランらしく静かに闘志を燃やす。

 定年まで残り5カ月、トレーナー人生が“ラスト1F”を切った福島師に、G1初制覇の大きなチャンスがやってきた。今まさに伸び盛り、4連勝中のダイアナヘイローでスプリンターズSに挑む。しかし、一気に盛り上がる周囲をよそに、指揮官は至って冷静だ。

 「そりゃあ、ここでG1を勝てたら一番いいけど、そんなに人生は甘くないですよ。北九州記念を勝ったぐらいで大きな顔はできませんね」

 G1でも惜しいレースは何度もあった。厩舎の初期を支えたイクノディクタスでは93年の安田記念を14番人気、続く宝塚記念を8番人気で連続2着。「今までで一番惜しかったのはイクノディクタスの宝塚記念かな。一瞬やったかな!?と思ったけど、メジロマックイーンに差されたね」と振り返る。また、オールドファンの記憶にはミスタートウジンの名前も強く刻まれているだろう。ダートを主戦場に14歳まで現役を続行。「開業してすぐ、あの馬とイクノディクタスが活躍してくれたから、厩舎の名前も売れました」と感謝する。

 開業から28年と7カ月、おそらくは今回がG1制覇のラストチャンスとなるだろう。力みはない。ただ、やるべきことをやった自負はある。「ここに来ての勢いは想像以上。体重が増えてパワーアップしているし、精神的にも落ち着きが出てきましたね」と愛馬の成長に目を細める。

 百戦錬磨の福島師は最後に、当日のテンションをポイントに挙げた。かつての名馬との、ほろ苦い思い出ゆえである。「ダイアナは初めてのG1ですからね。イクノディクタスもG2やG3ではドシッと構えていたけど、G1になると恐る恐る歩いている感じがあったんです。G1はお客さんも多い。当時、ふと“イクノがオトコ馬だったらなぁ…”と考えたことが思い出されます」

 イクノディクタスを苦しめたG1の壁を、ダイアナヘイローは越えられるのかどうか。70歳の指揮官は、満員のスタンドから温かく見守っている。

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2017年9月29日のニュース