【スプリンターズS】ニードル 自慢の瞬発力で古豪を“刺す”

[ 2017年9月27日 05:30 ]

坂路で調教するファインニードル
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 後ろ髪を引かれる思いか…。レッドファルクスに騎乗するM・デムーロ。連覇が掛かる大一番で主戦の座を降りることはできない。

 “未練”とはファインニードルのこと。セントウルSを完勝したレース後には「強かった。賢くて強い。速くてスタミナもある」と最大級の賛辞を送っていた。まさに体が2つあれば…の心境だろう。

 今年のスプリンターズSはそのレッドファルクスに代表されるG1馬5頭の取捨が鍵。桜花賞馬レッツゴードンキは急仕上げ否めず、ビッグアーサーは9カ月半のブランク明け。関東馬はどうか?9歳馬スノードラゴンは劣勢否めず、セイウンコウセイ、レッドファルクスもいわば“ぶっつけ”。絶対とは言えない。ならば、勢いある上がり馬が実績馬を蹴散らす図式か。

 ファインニードルはその馬名通り、研ぎ澄まされた針だ。居並ぶ古豪を“突き刺して”しまう力を秘める。火曜朝は坂路を4F63秒5〜1F15秒0で駆け上がり、今日の最終追い切りに備えた。担当の新村厩務員が目を細める。

 「前走は強かったと思うよ。出遅れてもスッといい位置に付けて抜け出した。瞬発力が凄い。前走がピークかとも思うが、変わりなく元気だから」

 1番人気で5着に敗れた北九州記念は直線で馬群に包まれ完全に脚を余し、名手は天を仰いだ。そのうっぷんを晴らす前走の勝ちっぷり。6F戦に限れば4戦連続で1分7秒台の競馬を続けている。“伸びしろ”多き4歳だが、完成の域に達しつつある。「体が成長したこともあるけど、1200メートルに使いだしてから安定して走れるようになった。前に行けるし流れが速ければ5、6番手でもいい。コースも合うと思う。あとは強い相手にどこまでやれるか」

 楽しみしかない。新たに手綱を取る内田には降って湧いたようなチャンス。一方、M・デムーロは視線の先に終始この馬の姿を捉えているはず。連覇を阻む最大の脅威が、G1初挑戦Vを狙うニードルなのだから。

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2017年9月27日のニュース