【セントライト記念】スワロー剛脚一気!重賞初V 菊戦線浮上

[ 2017年9月19日 05:30 ]

<セントライト記念>最後の直線でアルアイン(7)を差し切りレースを制したミッキースワロー(5)
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 菊花賞戦線に急浮上だ。18日に中山で行われた「第71回セントライト記念」は、2番人気ミッキースワローが勝利。断然人気の皐月賞馬アルアイン(2着)をその剛脚で差し切った。秋華賞を予定するアエロリットに続き、義兄弟の横山典弘(49)&菊沢隆徳師(47)が秋G1へ素質馬を送り込む。

 卓越した技術が、あふれんばかりの才能をVロードへ導いた。横山典とミッキースワロー。強敵たちを撃破したレースぶりは、ここが初コンビとは思えない。レース後のベテランは「ちょっとズルをしましたね」とニヤリと笑った。

 ゲート入りを嫌がり、スタートは後方から。それでも前走のような待機策ではなく、鞍上の手綱が早めに動く。向正面で皐月賞馬アルアインの直後をゲットした。「あんなに付いていって大丈夫かと思った」(菊沢師)。皐月賞4着クリンチャーが動いたのが3角。それにアルアインが続く。強気の2頭に食らい付いたスワローだったが、残り200メートルからの脚(上がり3F33秒4)が別格。追い掛け続けたクラシック組を一気にのみ込んだ。横山典は「スタートでしくじったが、ズルをしていい感じで後ろに付けられた。並んでからは思いの外、簡単に抜かせました」と満足そうに話した。

 「この馬は運動神経が良いのか普段の動きも速い。乗っている人が気を付けなきゃいけないくらい」と笑うのは菊沢師。重賞は初勝利だが、京都新聞杯5着→いわき特別3着と秘める能力は示していた。一方で師は「今日もパドックで鳴いていた。暑さも嫌がってスタートまでは大変でした」と気性面の課題を指摘。体に心が追い付けば…秘めるポテンシャルは底知れない。

 義兄弟の横山典&菊沢師のタッグといえば今春、NHKマイルCを制したアエロリット。秋華賞を予定しているアエロリットに続き、追加登録料(200万円)を払う菊花賞(10月22日、京都)もミッキースワローで臨むことになりそうだ。「正直、距離延長がどうなるかは分からないけど楽しみが増えた。ジョッキーは一生懸命乗ってくれるので、自分たちは調教を頑張ります」と師。この秋、ベテランに託す2頭の才能。何より頼もしいのはその百戦錬磨の腕だ。

 ▼クラシック登録とは 5大競走(桜花賞、皐月賞、オークス、ダービー、菊花賞)に出走するには事前の登録料が必要。ミッキースワローは第1回(現3歳馬は昨年10月28日までに1万円)、第2回(1月27日までに3万円)と登録を行っていないため、菊花賞の第3回登録(10月9日)で追加登録料の200万円を支払う必要がある。

 ◆ミッキースワロー 父トーセンホマレボシ 母マドレボニータ(母の父ジャングルポケット)牡3歳 美浦・菊沢厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績6戦3勝 総獲得賞金8026万7000円。

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