【夏競馬トリビア〜ン】中野省吾 勝負飯でWASJいただき!

[ 2017年8月22日 05:30 ]

ラタトゥイユチキンカレーをモリモリ食べて元気いっぱいの中野
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 例年よりは涼しい今年の夏だが、それでもジメッとした湿気に体力が奪われがち。そんな夏場を乗り切るべく、料理上手と評判の南関東競馬ジョッキー・中野省吾(25)にイチ推しの“スタミナ勝負飯”を紹介してもらう。26、27日に札幌で行われる「ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」に、地方代表としては史上最年少で出場する船橋のワンダーボーイ。勝ち星量産の秘密にも迫った。

 中野のイチ推しは野菜がたっぷり取れる「ラタトゥイユ」だ。ラタトゥイユとはフランス南部の郷土料理でにんにくとオリーブオイルで炒めた夏野菜にトマトと香草、ワインを加えて煮たもの。“中野流”は隠し味にカレースパイスを使う。

 最初は節約のための自炊だった。13年に笠松、北海道で期間限定騎乗したときに地元の騎手が料理をしていたのに刺激を受けた。限定騎乗を終え、南関東に復帰した時期に腰を痛めるなど体を壊したことも、食について考えるようになった一因。「野菜を多く取ること。グルテンフリーも意識。考えて料理するようになって風邪もひかなくなった」。14年南関リーディング29位、15年10位、16年4位と年々上昇。食に向き合い、体調を保つことでパフォーマンスも向上した。

 料理中はレシピは見ない。「料理は妄想(笑い)。味を予想できる人は、どういう馬かという予想もできるんじゃないかな。想像力を膨らますことで新たな引き出しが生まれる。料理も馬乗りに通じる」。「人間がハマれば馬は走る。馬乗りの核心を探している」などアーティスティックな発言で異彩を放つ中野らしく語る。自分の感覚を大切にしており、感覚を研ぎ澄ますための試行錯誤も独特のものがある。昨冬は、鞍の下に敷くスポンジを干す台でバランスを磨くトレーニングをしていた。究極の目標は「極端に言うと人間は何もしない。乗っていないように乗る」ことだ。

 11年に高知・全日本新人王争覇に優勝し“もってる男”と言われた中野。WASJの地方予選のスーパージョッキーズトライアル(SJT)では4戦3勝2着1回の史上最高得点で優勝し、本戦切符を獲得。世界の名手を相手に「全員ぶっ倒します!」と腕を撫す。

 前身のワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)含む過去30回で地方代表騎手は4度優勝し、11回表彰台に上がった。後にJRAに移籍して活躍している面々も名を連ねる。今年は地方一“もってる男”がNo・1の称号をいただきまーす。

 ◆中野 省吾(なかの・しょうご)1991年(平3)11月1日生まれ、富山県舟橋村出身の25歳。船橋・渡辺薫厩舎所属。09年デビュー、10年南関東最優秀新人騎手賞を受賞。地方通算4724戦436勝(重賞1勝)、中央6戦0勝(20日終了時点)。最近はスケートボードやサイクリングをトレーニングに取り入れている。

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