“ダイヤの原石”2億7000万円!「サトノ」里見氏が落札

[ 2017年7月11日 05:30 ]

セレクトセール初日で、里見治オーナーが1歳セリ史上3番目となる2億7000万円で落札した「リッスンの2016」
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 日本最大の競走馬セール「セレクトセール2017」が10日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで開幕。初日は1歳セリが行われた。昨年秋から国内外でG1・6勝を挙げる絶好調「サトノ」軍団を率いる里見治氏(75)が、「リッスンの2016」を2億7000万円(以下全て税別)で落札。1歳セリ史上3番目となる高額だった。なお、11日は引き続き当歳セリが行われる。

 「1億円スタート!」のコールから間髪を入れずに購買者たちの手が上がった。この日の主役は上場番号107、「リッスンの2016」。あっという間に2億円の大台を超えると、昨年の最高額2億6000万円を突破する。最後まで手を上げ続けたのが“セレクトの顔”里見治氏。自身の1歳馬最高落札額となる2億7000万円で高らかにハンマーが鳴ると、会場は拍手で包まれた。

 同馬の母リッスンは07年のフィリーズM(英G1)を勝ち、母の姉セコイヤも愛G1のモイグレア・スタッドSを優勝。優秀な母系に日本の至宝ディープインパクトを掛け合わせた良血だ。すでにタッチングスピーチ(15年ローズS1着)、ムーヴザワールド(16年東スポ杯2歳S、17年共同通信杯3着)のきょうだいが日本でデビューしており、存在感を示している。里見氏は「調教師(池江師)が“良い”と言うので、それじゃいこうかと。何とか種牡馬になれるような活躍をしてほしいですね」と期待を寄せていた。

 「2億2、3000万円を予想していたから高くつきました」。平均購買額は昨年から250万円上がり、過去最高に。それでも「(生産、育成の)牧場にお金が回るのはいいこと」と説明した同氏。昨年の菊花賞(サトノダイヤモンド)から怒濤(どとう)のG1・6勝。初めてG1オーナーとして参加するセリだったが「今まで背伸びをして頑張ったのは間違いではなかったんだなという気持ちですね」と感慨深げに話した。

 「どうしてもダービーを勝ちたい」と同馬に託す夢は大きい。狙うは昨年、サトノダイヤモンドで鼻差2着に泣いた競馬の祭典だ。入厩先は西の名門・池江厩舎を予定。2年後の大舞台をイメージできる大器が“サトノ軍団”に加わった。

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2017年7月11日のニュース