【夏競馬トリビア〜ン】馬券必勝祈願!勝馬神社で当たる予感

[ 2017年6月27日 05:30 ]

茨城県稲敷市の大杉神社内にある勝馬神社
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 勝ち運を呼び込んで夏を制す!!美浦トレセン近郊の大杉神社(茨城県稲敷市)は「あんばさま」の呼び名で信仰を集める全国屈指のパワースポット。その境内にたたずむ勝馬神社で馬券必勝を祈願すると、早くも御利益!?ほこらを囲う石柱には今週の福島、函館に有力馬を送り出す厩舎名が…。毎週火曜にスタートする「夏競馬 トリビア〜ン」。1回目は霊験あらたか勝馬守(かちうままもり)を拝受した長老記者・梅崎の不思議な体験談をお届けする。

 柏手(かしわで)を打てば年末ジャンボ宝くじの1等も当たる。そんな噂を聞きつけて足を運んだ大杉神社。その不思議なパワーは鳥居をくぐった途端、全身に迫ってくる。うっそうとした杉並木。ひんやりとした空気が頬を撫でる。強い視線を感じて振り返れば、樹齢1000年の大杉がこちらを値踏みするように見下ろしている。「あんば(安波、安馬)さま」の名で信仰されてきた樹高40メートルのご神木。この地が内湾に突き出た半島、安婆嶋(あんばじま)と呼ばれた8世紀、勝道上人(僧侶)が疫病の疱瘡(ほうそう=天然痘)にあえぐ民を救うべく大杉に祈願すると病魔が退散したという。周辺を焼け野原にした300年前の寛政の大火も免れた大杉である。

 「馬の神様はこちらに祭られています」。宮司の市川氏に案内されたのが境内の小高い丘にたたずむ勝馬神社。薄暗い社殿の中で目を凝らせば、馬像の手綱を石造りの猿が引いている。古来、厩神(うまやがみ=馬の守り神)として信仰されてきた駒止めの猿である。「実は、この馬櫪社(ばれきしゃ=馬を守護する神社)は、かつて美浦の馬牧(うままき=官営育成牧場)の中に祭られていたんです。馬牧が消滅したため馬櫪社だけがこの地に移されました。1000年以上も前のことですが…」。宮司から由来を聞きながら勝馬神社を一回りすると、社殿を囲む石柱にはなじみの厩舎名が刻まれている。上原博之、小島茂之…。

 上原厩舎といえば、ラジオNIKKEI賞にウインガナドルを送り出す。ウインとは勝ち、ガナドルもスペイン語で勝者の意味だ。偶然にしては出来過ぎた馬名。勝馬神社のお告げか。宮司は答える代わりに、こちらの目を見返した。「いい日取りにおいでくださいましたね。旧歴5月は馬の月。しかも、今日(21日)は夏至です。馬にとって最も運の強い日、いや強過ぎる日です」

 のるかそるか、一度限りの真剣勝負に効き目があるというお守りを求めて、再び勝馬神社に戻ると…。社殿の左手にそびえるシイの大木が揺れた。蹄音のような4拍子の葉音。見上げると、シイの幹が馬頭の形をつくっている。思わず柏手を打った。年末ジャンボ級の万馬券的中祈願。「実は、年末ジャンボの1等賞が当たった噂は本当なんです。会社経営に苦しまれて、参拝された方でしたが、当たった後に鳥居を奉納していただきました」。宮司の話を聞いていると、馬頭形のシイの木が再び揺れた。あんばさまの御利益…。

 ◆稲敷市阿波・大杉神社 全国に670社ある大杉神社の総本宮。767年創建。この地の民を干ばつから救った天狗(てんぐ)伝説、富をもたらす大国(おおくに)の伝説も残されている。戦前には毎年4月8日の駒牽祭(こまひきさい)で、神社境内奥の馬場を舞台に農耕馬約100頭による競馬が開催された。毎年10月の大杉祭には岡部幸雄元騎手が神馬(しんめ)に騎乗している。

 ◆行かれる方へ 大杉神社(勝馬神社)はJR成田線・下総神崎駅、圏央道・稲敷ICからいずれも車で約15分。JR佐原駅からバスで約45分、JR土浦駅からは江戸崎でバスを乗り継いで1時間40分前後。(土、日曜には下総神崎駅から直通バス運行)。

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