【安田記念】距離短縮ステファノス、悲願成就へ“先行先着”

[ 2017年6月1日 05:30 ]

CWコースでファントムライト(右)に先行先着したステファノス
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 春の東京G1・5連戦のラストを飾る「第67回安田記念」の追い切りが31日、東西トレセンで行われた。栗東では約2年半ぶりのマイル戦となるステファノスが、距離短縮を意識した併せ馬で、鮮やかに先着。初のG1制覇へ準備は整った。

 珍しい光景だった。ステファノスの最終追いは、CWコースでの併せ馬。ファントムライト(8歳オープン)を2馬身後方に従え、先行する形でスタート。4角でパートナーを内に迎え入れると、直線残り200メートルまで併走。そこからギアを1段上げ、再び2馬身突き放してゴールした。

 通常、G1出走馬の併せ馬は、前に目標を置く追走の形がほとんど。異例とも言える“先行先着”の意図を、藤原英師はこう説明した。「2000メートルなら前半リラックスさせて、最後に力を温存することが主眼。だが、マイルは最初から最後までスピードとスタミナを出し切ることを要求される。マイルの流れについていく必要もある。大阪杯の後から、マイルG1に向けて馬をつくってきた」

 前走・大阪杯はキタサンブラックに3/4馬身差の2着。指揮官は「キタサンをマークする作戦通りの競馬。4角の手応えも抜群。それでもかなわなかった。ショックだった」と完敗を認める。前走で3度目のG1・2着。何とかG1を勝たせたい。陣営はキタサンと再戦となる宝塚記念を避け、目標をここに絞った。2000メートル前後の中距離路線を歩んできたステファノスを、マイル仕様にする調教を積んできた。

 かつて3200メートルの天皇賞・春2着馬トーセンラーで、マイルCSを制した経験がある藤原英師。「ラーの時は苦労したが、今回はそこまで大変ではなかった。ただ、G1を勝つのは簡単ではない。厳しい戦いになるが、対応できるポテンシャルは持っている」と結んだ。3歳時にはG3富士Sを制した舞台。決して無謀な挑戦ではない。

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2017年6月1日のニュース