【日本ダービー】ここ20年で“最遅タイ”の2分26秒9はハイレベル世代の証?

[ 2017年5月28日 18:42 ]

2010年・ハイレベルな日本ダービーを制したエイシンフラッシュと3着のヴィクトワールピサ(左)
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 28日、東京競馬場10Rで「第84回東京優駿(日本ダービー)」(G1、芝2400メートル)が行われ、C・ルメール騎手騎乗の2番人気・レイデオロ(牡3=藤沢和厩舎、父キングカメハメハ、母ラドラーダ)が勝ち、G1初勝利。3/4馬身差の2着にはスワーヴリチャード、さらに1馬身1/4差の3着にはアドミラブルが入った。

 勝ちタイムの2分26秒9は、良馬場開催ではエイシンフラッシュが勝った2010年と並んで、ここ20年で最も遅い記録となった。逃げ馬不在の中、マイスタイル(横山典)が前半1000メートルを63秒2のマイペースの逃げ。3コーナー手前でレイデオロ(C・ルメール)が仕掛けてレースは動いたが、タイムは“平凡”なものだった。

 しかし、ハイレベルな世代はかえってスローペースのダービーになりやすい。というのも、各トライアルレースで権利獲得を狙う人気薄の馬の逃げに実力馬たちが不覚を取ることが少なく、逃げ馬が本番では不在になってしまうからだ。

 “最遅タイ”の時計をマークした2010年のメンバーを振り返ると、勝ったエイシンフラッシュはのちに天皇賞・秋(G1)を制し、2着のローズキングダムは3歳でジャパンカップ(G1)で優勝した。3着の皐月賞馬・ヴィクトワールピサも3歳で有馬記念(G1)を勝利。さらには世界賞金最高額を誇るドバイ・ワールドカップ(首G1)を豪快な競馬で勝利し、世界を驚かせた。

 5着だったルーラーシップもクイーンエリザベスC(香港G1)を制し、国内のG1で何度も上位争いに食い込んだ。9着と大敗したヒルノダムールものちに天皇賞・春(G1)を勝利。計5頭がのちに古馬混合G1の覇者となった。古馬G1にこそ手は届かなかったが、ペルーサ、トゥザグローリー、コスモファントム、アリゼオ、ダノンシャンティなど多彩なメンバーが古馬になっても競馬を沸かせ続けた。

 10年世代は3歳の秋に早くもペルーサが天皇賞・秋2着、ローズキングダムがジャパンカップ優勝、ヴィクトワールピサが有馬記念制覇と古馬相手に実力を発揮。今年も勝ったレイデオロをはじめ、スワーヴリチャード、アドミラブルなど将来が有望な馬ばかり。秋競馬が今から待ち遠しい。

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2017年5月28日のニュース