【ヴィクトリアM】ミッキー極上11秒8“オトナ女子”仕上げ!

[ 2017年5月11日 05:30 ]

<ヴィクトリアM>雨の中、CWコースで追い切るミッキークイーン
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 春の最強古馬牝馬決定戦「第12回ヴィクトリアマイル」の最終追いが10日、東西トレセンで行われた。前走・阪神牝馬Sで約1年半ぶりの白星を飾った5歳馬ミッキークイーンがCWコースで円熟の走りを披露。主戦・浜中俊(28)も「彼女を信じて」と3歳の秋華賞以来、完全復活のG1・3勝目を見据えている。枠順は12日、確定する。

 その走りには女王の風格が漂っていた。ミッキークイーンが開門直後のCWコースで躍った。単走で4F手前でスピードを上げると、制御を利かせて直線へ。四肢を高々と上げ、仕掛けられると、1F11秒8(4Fは53秒7)の極上の伸び。未明からの雨で湿った重いウッドチップを蹴散らし、力強く駆け抜けた。

 見守った池江師は目を輝かせた。「先週しっかり息をつくって心肺機能を高めたので、今週は短めに。脚さばきは軽快。息もすぐに入った。いい調整ができました」

 3歳時にオークスと秋華賞でG1・2勝。だが昨年は暗転。ヴィクトリアマイル2着後に球節の捻挫で宝塚記念をパスし、順調さを欠いた。だからこそ、豪快に突き抜けた前走・阪神牝馬Sで約1年半ぶりの白星を心底喜んだ。指揮官は「感動しました。いろいろなことがあった馬なので…。捻挫はかなり重篤で引退も考えたほど。牧場スタッフのお陰。勝負根性が凄い」と昨秋エリザベス女王杯(3着)後も常に全力で走る愛馬を称えた。

 阪神牝馬S2着後に放牧を挟んだ昨年と違い、栗東在厩で参戦。「昨年は精神的に不安定だったのでリフレッシュしたが、今はその必要がない。大人になった」と同師。カイバが実になり、メンタルが成長したことでゲートの駐立も安定した。完成域に入った。

 もう一度、G1の表彰台へ。全13戦中、12戦で騎乗する浜中も思いは同じ。昨年は自らの落馬負傷で復帰週がヴィクトリアマイルだった。レースレコードで制したストレイトガールに必死に2着で続いた。最終追いを厩舎スタッフに委ねた浜中は「昨年はケガ明けの自分が重荷になった面もあった。彼女には助けてもらって…。思い入れの強い馬。信頼して、自信を持って乗りたい」と再会を心待ちにしている。

 指揮官も意気込んだ。「ミッキーも(捻挫で)苦しい思いをした。浜中君もケガで大変だったと思う。レース後、2人が笑顔で終われることを祈っています。おそらく1番人気に推してもらえるでしょう。牝馬No・1を証明したい」。ただ一頭のG1・2勝馬。引退危機を乗り越え、強さを増したミッキーの前に敵はいない。

▽阪神牝馬S最終追いVTR 1週前に長めからしっかり負荷をかけ、レース当週は4Fから切れ強化に努める池江流。ミッキー自身も3歳秋のローズS以降は優勝した秋華賞を含め、同じパターンの仕上げ。阪神牝馬Sは4Fからは馬なりでラスト1F12秒0に対し、この日は同じ4Fから最後仕掛けて1F11秒8。雨で水分を含んだ馬場を考慮すると、前走より一段上の強度。万全の仕上げといえる。

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2017年5月11日のニュース